第5話

「オレも歌ヘタなスーパーヒーローに

なりてぇ」

クラスメートの高ポンタがなれなれしく

タカシに話しかけてきた。ポンタは

けっこう、なかのいいともだちで、

よく遊ぶ間柄でもあった。

「アンタは給食毎日五人前食べて

ブクブクふとって。まるで餌を

食べ過ぎたトドじゃない」

藍子がきつい一発をポンタに

向かって発射した。

「ひでぇなあ、なあタカシひでぇよなあ」

「うん、でも、あたってる」

「てめぇ、ぶっ殺されたいのか」

「ごめんない、ごめんなさい」

ポンタはいじめっ子でもある。タカシ

もよくういじめられていた」

「でも、異世界ってどうやったら

いけるんだろう?」

ポンタがぽつっとタカシも

思っていたことをつぶやいた。

「そうよねぇ、それがわからないし」

藍子が困惑顔を見せた。


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