第4話

「スーパーヒーロートーナメント⁈」

藍子が大声を上げた。

「うん」

力なく答えるケイタ。

「出てみなさいよ。チャンス

じゃない」

「うん、でもボク」

「なに」

「なんの武器もないし」

ケイタがいちばんきにしていることだった。

「ケイタには大きな武器があるじゃない」

「なに」

「ド音痴な歌と全部はずすイッパツギャグ」

「そんなもの、たぶん並みいる強敵たちを

相手に、きっと、何の役にも立たないよ」

「ケイタ」

藍子が途端に両手を腰にあてて

厳しい表情になった。

「なっ、なに」

「男の子でしょう。しっかりなさい」

「でっ、でも」

「もう」

藍子がケイタの頬にキスをした。

「ねっ、これでがんばって」

「気持ち悪い」

「テメェ、殺すぞ」



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