この物語は、青春の残照と神秘の淵を覗く、秀逸なホラー小説である。

古典の授業という平穏な日常から裏山の神社へと展開する物語は、静謐な筆致で描かれながらも、不穏な空気を醸し出す。

神社のブランコという遊具を通して、生と死、現実と幻想が交錯する様は、読者の心に深い印象を残す。

夢と現実の狭間を漂う椎名小春の視点を通して展開し、彼女の内面の葛藤と恐怖が巧みに表現されており、読後、首の後ろに冷たい風を感じざるを得ない。

そういう力作の物語であると感じた

日本史とはすこしミスマッチにもおもえる“ぶらんこ”。
その揺れる姿は、なにかとても不吉なものを暗示するようで……。
なにも明示はされないその踊りに、現実と夢とのあいだへとどうか誘われないよう……。

話の流れが良かったです。描写も素晴らしく、読みいりました。