迷子

紫閻-sien-

とある ショッピングモール

清掃員は持っていた人形をサービスカウンターに置く


「これ トイレの洗面台にあったやつだけど 忘れ物みたいで

持ち主が取りに来るかもしれないから預かってくれますか」


その人形は年代物の日本人形


「やだ なんか不気味ですね なんでトイレにあったんですか?

預かるの怖いな」

そんなことをサービスカウンターの女性が言った その時


「ウチの孫を不気味とか怖いとか 貴方達 失礼でしょ」


清掃員が声のした方を見ると

老婦人が般若のような顔をして立っていた


「ウチの由美ちゃんを返して」

凄い勢いでサービスカウンターにあった人形をひったくり


「由美ちゃん 失礼な人達でしゅね ゴメンね 怖かったね」


人形をギュッと抱きしめ独り言を言いながら

どこかに行ってしまった

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

迷子 紫閻-sien- @sien702

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ