最後まで読んで、自分の中で考えてみてください。

  • ★★★ Excellent!!!

死刑の方法が絞首刑ではなく、遺族側に委ねられた復讐刑に変わったという世界のお話。
主人公は弟と弟の奥さん、子供達が18歳の若い少年達に全員ひどいやり方で殺されてしまうところからお話は始まる。


少年二人は好奇心という軽い遊び感覚で一家をまるでゲーム感覚で殺します。
罪には問われないと自信満々で、そして遺族を馬鹿にしたり、怒りが湧く程のくず野郎どもです。
そんなくず野郎共も死刑に自分たちがなると判ると、自分たちの保身の為、態度をコロリと変えます。

この世界の死刑方法は「復讐刑」
それも復讐刑を実行する遺族(被害者家族)はどんな惨いことをしても罪に問われない。
彼ら、くず達の命の手綱は弟家族を殺された遺族の主人公に託されます。しかし主人公の心境は……?


最後まで読ませて頂き、結構考えさせられました。
リアルで交通事故とか殺人とか、日本は何故こんなにも加害者ファーストなんだろうと常々考えていますが、この世界の様に復讐刑が適応されたら被害者ファーストな良い政策に捕らえられますが、実際はどんなんだろうか。と考えてしまいます。
くずを手にかけても弟夫婦も子供達も帰ってきませんし、むしろくずと同じ様に殺めてもスッキリなんてしませんよね、残るのは罪悪感というか……殺めた感触の気持ち悪さというか。
少年達は「一家惨殺ゲーム」といって、弟夫婦と子供達を殺したけれど、主人公に声をかけてきた男性の言葉でぞわっとしましたね。
彼らも口にしないけれど……「被害者家族が加害者に復讐するゲーム」を見物したいのでしょうね。これにはうわぁっと声が出てしまいました。
それも数年もそんなこと続いていたら、主人公もこれは精神にくるわ。と思いました。
病室の待合室で流れる仇討ち刑執行の動画。
コメント欄には応援する言葉が埋め尽くされている。
きっと、頑張ってください!応援してます!もっとバッドで殴れ!みたいなコメントなのだろうな…(想像です)

その立場になってからだと、その動画の見方が変わるなって思いました。

長々した感想失礼しました。
作品紹介ありがとうございました!
応援しています!!

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