夢に見るゲーム世界。自分はゲームに出てくる人物らしい。ということは、ゲームのシナリオ通りに自分は17歳で死んでしまう?
ゲームの記憶。固有スキル。ジョブ。ステータス。勇者。女神。聖女。無双。成り上がり。
キーワードは実にファンタジーらしいですが、作者の個性が作中に散りばめられています。
女神たちは個性的な方々で、頼りになる部分もあるのですが……。女神の気まぐれというのでしょうか。規則に従って動いてはいるのですが、主人公ルカの運命を変えてしまいます。
女神に好かれたおかげで、人生に光が差したルカではありますが、前途多難のようです。それはタイトルにもある通り、聖女の身代わりとして死ぬ運命にあったから。
重病を患っている聖女リィナ。
第一章では、二人は女神を通して互いの存在を知りましたが、会ってはいません。
会ったらどうなるのでしょう?
ゲームのシナリオ通りに運命的に恋に落ちるのか、それとも……?
悲運な主人公ルカと、幸運な聖女リィナ。
二人がどのような運命を辿るのか、ドキドキハラハラです。
彼らが生まれもった命の定め…命運は、たやすくは変わらない――そんな流れの中に、それぞれが望むものをつかみ取ろうとあらがいながら突き進む物語。
しかしながら、その望みはヒーローとしていかがなものか……(笑)
運がいいのか悪いのかわからなくもありますが、まぁ、いいヤツです。
ただいま、一章を拝読し終えたところですが、とにもかくにも悲運と幸運の錯綜が期待されます。
少し、流れに癖がありますが、そのへんは個性・お好みでしょう。
個人的には、ルカくんの方が入り込みやすいです。
これが合流したら、どうなるのか……楽しみです。
きっと、読みこんだなら嵌ります。
というもどかしさを伴った読み手を惹きつける導入から始まる物語です!
女神様が当たり前のように登場する世界ですが、人と異なる価値観が垣間見えるため、そのズレが人ではないということをはっきりと読み手に感じさせてくれました!
個人的に読み進めていて、世界観ならではの表現方法がとても素敵な形で記されているのがとても印象的です!
ネタバレになってしまうため、どのような形かを明示できないのが残念ですが、軽い重いという表現を利用した説明は秀逸なのでぜひとも直に味わってほしいです!
現在まだ旅は始まったばかりですが、至る所に散見される世界観の綿密な設定がヒシヒシと感じられます!
ぜひみなさんも他者の運命を奪うという力を持った主人公が、どのように自分の運命に抗っていくのか見届けてみてはいかがでしょうか!