第2話 魔法文字、なんそれ

 転生してから半年ほど、魔法文字について調べたところ幾つか分かったことがある。以前、魔法文字は理解することを諦められた魔法形態といったがそれに関しては概ね合っていた、ただ理解できないからといえども使えない訳ではなく、伯爵位より上のお貴族様たちは継承はされているらしい。


 ただ、やはり未熟な身体では扱いきれないため、基本的に成人15歳してから継承されることがほとんどだという、それを3歳児がその身に受止めたら死にかけるなんて当たり前普通は死ぬである。




 魔法文字は地球でいうところのZIPファイルのようなものだった。大量のデータが内蔵されていて圧縮されたものがあの本に埋め込まれていたらしい。ただ、一度使用すると再度使うことができないらしく、そこら辺にある本となんら変わらないらしい。



 魔法文字には他にも面白いところがあり、魔法に特徴を追加することができるという。文字によっては威力、速度、貫通力などを増減させたり、痺れ毒や致死毒、衰弱などの殺意マシマシの呪いを付与したりと結構カスタマイズできるとのことだ。



 ちなみに、僕が持っている魔法文字は【自然 魔素 集 還 】とい4個の文字が合わさった補助文字というものだった。

 二文字が2つある奇妙な文字らしい。本来、二文字を使うこと自体が珍しいらしく、それが2つともなると言わずもがなという。



 そもそも、文字には相性というものがあるらしく。相性が悪いと最悪作動せず、魔力を異常に喰らう文字となってしまう。

 それなのに、一文字が掛け合わさった二文字を2つ、それに加え一文字も2つあるというなかなかに狂った文字である。



 しかし、魔力を喰らうことなく自然に満ちた魔力を用いて最小限のコストで発動する文字というものが実在していた。まさに夢のようなものである。




 ただ、ひとつ欠点があった。というよりも自分の問題なのだが、文字が多いものは基本発動時間が長い、それを二文字と一文字の混合、本当に長いのだ。近接戦闘では一切使えないだろうと思うほど長い。最速魔法と言われている魔法矢を飛ばす文字ですら発動までに2分以上かかってしまう。



 この魔法文字は魔力を喰らい尽くすレベルの魔法、高威力広範囲の殲滅魔法レベルもしくは治療系の魔法でしか使えないというものだった。



 僕はこの魔法文字に似たものを作りたい。低コストで発動時間の速い文字を、戦争で使うような文字ではなく、対人戦を楽しめる文字を。そのために自分が持てる知識、それこそ前世の知識を用いて取り組んだ。ただ


 一言で言う。挫折した。そもそも知識量が足りなさすぎた。いくら元にしようと思っている文字があったとしても組み合わせが分からなかった。なので、文字探しをすることにした。とりあえず、最速低コストの魔法を。現在では魔法矢を飛ばす魔法が最速と言われているけれど低コストかと言われると首をひねらざるを得ないものだった。

 この魔法は魔法矢を作り出す魔法とそれを射出する魔法の混合で二段階で魔力を使っている、そのためどうしても魔力を必要としてしまう。



 いくら身体を壊していて魔法が使えないと言えども魔法文字を探すことぐらいはできる。取り敢えず本を父親に買って貰えるようおねだりしに行ったのだった。

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最速魔法の申し子 @as_poker

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