最速魔法の申し子
@as_poker
第1話 まるでゴキ○リのような生命力
試合時間は90秒です。
無機質な音声を聞き流しながら、今日もまた対戦をする。だが、場面が一切動かない。当たり前だ、敵の攻撃は喰らいたくない、しかし自分の攻撃は喰らわせたい。
そのような傲慢な考えでの戦いは無駄に試合を長くさせるだけである。
古今東西、肉を切らせて骨を断つという言葉があるように、何か犠牲を払わなければ得るものもないだろう(スマ○ラのはめ技は○ね)
とりあえず、ダメージを喰らうのはゲームである以上仕方の無いことだろう。遠距離攻撃に関しては弓にしても矢というコストを払い魔法を使うならば魔力という対価が必要である。
しかーし、無駄な消費は言語道断である。如何にして低コストで最も相手にいじわるが出来るかがゲームにおいては重要である(個人の感想であり試合時間が無駄に長くなります)
カチ カチカチ
DRAW
カチカチカチ
DRAW
カチカチカチカチ グサッ
LOSE
カチ カチ カチ
WIN
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余談だが、僕の戦い方は意地汚くセコい戦闘スタイルなのだが、友人に対してそのような戦い方をするとマジギレされるので気をつけてね、ハイハイまぐれまぐれとか言いやがってコノヤロウ
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いつものように低コスト低威力の出が無駄に速い魔法を相手のスタミナが切れて回避ができなくなるまで連打していた途端、意識が途切れた。目の前が真っ暗になるとか、そんなことを考える時間もなく倒れてしまった。
それと同時に机に突っ伏して寝ている最中にどこかに落ちるような感じのビクッとするあれ、それが起きたと同時にここが自分の家ではないことに気付く、初めは夢かあ、と思っていたが段々と冷静になり、いや錯乱しているのか(?)という状態になりながらも周りを見渡した。
周りには本が沢山散らばっており、というより大量の本が自分に落ちてきたんだろうなという光景だった。
自分の体は3.4歳ぐらいで、異常なことが起きていると感じてはいるが、しっくりと来ていた。人の体に乗り移ったというよりも、元ある位置に戻ってきた感覚だった。
まあ、
落ちていた本を開くと全ての文字が読めるという訳もなく、幾つかの簡単な単語が理解出来た。神様よ、言語チートぐらいくれたっていいじゃないの
とりあえず、他の本と読み比べして文字を理解しようとしたけれど無理だった。うん、無理。
しかし、ひとつだけ他のものと違うと感じる文字があった。普通に見ようとすると、なんらおかしくないのだが文章の中に脈略もなく数学の計算式が書かれてるような違和感があった。その文字を指で擦っていると一瞬弱く光った気がしたと同時に莫大な情報量が流れてきた。ただ、それと同時にまたもや倒れてしまった。
ドタバタドタ
「大丈夫ですか、いまさっき酷い音がしましたが、きゃあ」
「どうしたのです、あら坊ちゃんがお倒れに、貴方は旦那様をお呼びになって」
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「お目覚めになられましたか、こちらをどうぞ。なにかお食べになります?」
とりあえず受けとった牛乳?のような色の飲み物を飲む、牛乳とはまた違った感じだった。ヤギかな
「これ美味しいね」
彼女はにっこり笑って言った。
「カワイイ、それを聞いたら皆喜ぶでしょう」
「大袈裟だなぁ、食べ物もちょっとだけ貰おうかな」
数日が経ち、医者に一応診てもらったが異常は見つからなかった。
ただ、身体に違和感があった。いつもより熱っぽい?気がした。
なにかが溢れそうだった。直ぐに外に駈けでた。
「坊っちゃま?」
ヤバイヤバイヤバイヤバイ
これはとにかくヤバい
本能的に力を振り絞った。茹だるような力をとにかく外に出した。
ドクン
息を深く吸い、吐くと同時に力を外に掻き出した。
ドクン
危機を脱した。そのような気がした。あの力はこの身に宿してはいけないほど力強く、莫大な量だった。
後々、未熟な身体に魔法文字を埋め込むことで魔法が
ただ、残念なことに現在主流の詠唱魔法を使うための身体の機能を悪くしてしまった。大量飲酒により肝臓の働きを悪くするようなものだ、そのうち治るだろう。
それと同時に魔力の扱いが異常に上手くなった。多分、莫大な自然の魔力を身体中に巡らせながら動かし自分の身体から上手いこと逃がしたからだろう。
そして、魔法が使えるようになった。それも幸運(?)なことに低コストの魔法だった。なぜなら、自然の魔力を用いることで発動するものだったからだ。
ただ、1つ文句があるとしたらこの魔法文字のせいで死にかけたことだろう。この魔法文字が自分の魔力ではなく自然のものを用いるという異質なものだったせいで死にかけたのだ。
そもそも魔法文字とはなんだろうか、それに関しては現在の人達が理解するのを諦めた魔法形態との事だった。
今ではそれの簡易版である詠唱魔法が主流である。
本来なら理解できるはずもなく、なんら異常など起きなかった。しかし、前世の自分の戦い方がその魔法文字を作り出した人間の思考と似ていたせいであるという見解である。前世については一切話してはいなく、僕ならこういった戦い方をするだろうなというのを話しただけだった。
残念なことに、父親の顔はちょっと不服そうだった。仕方の無いことだろう、この世界では魔法使いというものは花形である。堂々たる振る舞いで敵を倒すような世界で意地汚く生き残る(お笑い芸人でいうところのク○ちゃん的存在?)みたいなものだ。嫌われて当然である。
それでも父親は優しく抱きしめ慈しんでくれた。母親は泣いていた。気付いてあげられなくてごめんと。
まあ、そもそも自分が悪いのでちょっと申し訳ない気持ちになりつつも愛情を受け止めた。ただ、髭でゴリゴリするするのはやめて欲しい。キモイいたいアホタレ
そんなこんなで始まった異世界生活であった。
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