クーデターにより逃げ延び、身分を偽って育てられたヴィルヘルミナが、国の行く末を憂い、立ち上がり、革命を成していくお話です。
一度拝読していたのですが、改めて拝読して、やはり素敵なお話だなと思いました。
悪徳王家による恐怖政治に皆が怯える中、国内の現状を見聞きして国を救う事を決め、立ち上がるヴィルヘルミナは、聡明で冷静で凛としていて、とても格好良いです。
彼女を支える家族や義兄達との関係性もあたたかで、彼女が愛されているのがよく分かります。
また、ヴィルヘルミナが特別に思う人との恋愛模様も見所の一つになっています。
彼女がどうやって革命を成し遂げるのか、そして、彼女の恋はどうなっていくのか、是非最後まで読んで見届けて欲しいです!
こちらのお話は「小さくて大きな恋物語」というシリーズになっていて、他のお話を読んでいる方は、今作を読んで嬉しく思う場面もあるかと思います。
気になった方は是非そちらも読んでみて欲しいです。
正統な王家の血を引くヴィルヘルミナが、現在の国の在り方に憂い、平和を取り戻そうと動き出す……のですが、彼女には芯があり、その姿に感銘を受けます。
そして、ヴィルヘルミナの傍には義兄であるマレインがいるのですが、彼女を護るために騎士になった方。
もうお気付きでしょうが、この二人、両想いなのです。
ただ、義兄、義妹として育ってきた環境もあり、両片想いが続きます。このじれじれ具合がたまらないです。
そこにハラハラドキドキする場面もあり、目が離せません。
ヴィルヘルミナは国を、平和を取り戻せるのか。
二人は、幸せになれるのか。
みなさまもぜひ、読んで確認してみてください。
かつて、農業を主軸とした穏やかで美しい国家だったドレンダレン王国。
しかし、家臣ベンティンク伯爵によって起こされたクーデターにより、王家は滅亡。
王家に忠誠を誓う貴族達も全員処刑され、王国は新しい国王の下で重税と暴虐で満たされた恐怖の時代が訪れます。
ヴィルヘルミナは、そんな王国の中で善き統治を行うエフモント公爵家の家族に囲まれ、誇り高く賢く、何よりも領民を思い遣る心優しい令嬢に育ちます。
ですが、自分が家族の誰にも似ていない事に疑問を抱き、やがて真の出自を打ち明けられる事になります。
実の両親の凄惨な死。現王家の悪逆。
その魔手が、いつか公爵家の家族にまで及ぶのでは、という恐怖。
しかし、その目に映った王国の現状に、ヴィルヘルミナは強い思いを抱きます。
太陽のようなブロンドは真っ直ぐに、熱く強い決心の現れのようで、
希望を湛えて未来を見据える瞳は、知性を備えて気高く輝くタンザナイト。
国民のために。
家族のために。
そして、愛する人との未来のために。
ヴィルヘルミナは返り咲く。
恋と革命の物語。
「返り咲きのヴィルヘルミナ」
最高です!