第4話 曖昧な結末
僕はその日以降、管理人室の前を通るたび、僕が聴いたラジオの話をしようと管理人さんを探していた。
しかし、管理人さんは待てど暮らせど出勤してこない。
共用廊下にゴミが溜まりだした頃、ようやく新しい管理人さんが出勤してくるようになった。
新しい管理人さんに前の人はどうしたのか聞くと、
「脳卒中で急に亡くなられたそうですよ」
と教えてくれた。
管理人さんが出勤して来なくなったのは、あのラジオを聴いた日のちょうど翌日から。
僕には、無関係とはどうしても思えなかった。だけど、おじいさんの身に何があったか、知るすべはない。
あれから四半世紀が過ぎたけど、いまだに時々思い出して考える。
あの日消えた管理人さんと、謝られた僕の差は一体なんだったのだろうと。
血だまりとラジオと彼の声 hisa @project_hisa
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます