概要
人類は愚か
慈悲深い国王に保護されて、《《我ら》》は生き延びた。
与えられた土地。与えられた平和。与えられた当たり前。
あぁ、本当に束の間だった。
戦火ですべてを失った私が、妻を娶り、一児の父となるなんて。
我らは常に狙われ、嫌われ、忌《い》まわれている。
全滅を避けるためには、我らは単独行動が常であり、互いの伝達方法は魔力による念話《テレパシー》のみで、生涯、互いの顔をみることは|稀《マレ》なこと。
国王が行った善意は、我らに家族を教えた。同胞との交流の大切さを学ばせ、帰る場所がある有難みと感謝が我らの心を豊かにした。
幸せだった。本当に、幸せだった。
だが、その幸せは永遠に続くはずがない。
我らを保護してくれた王が死んだ。
与えられた土地。与えられた平和。与えられた当たり前。
あぁ、本当に束の間だった。
戦火ですべてを失った私が、妻を娶り、一児の父となるなんて。
我らは常に狙われ、嫌われ、忌《い》まわれている。
全滅を避けるためには、我らは単独行動が常であり、互いの伝達方法は魔力による念話《テレパシー》のみで、生涯、互いの顔をみることは|稀《マレ》なこと。
国王が行った善意は、我らに家族を教えた。同胞との交流の大切さを学ばせ、帰る場所がある有難みと感謝が我らの心を豊かにした。
幸せだった。本当に、幸せだった。
だが、その幸せは永遠に続くはずがない。
我らを保護してくれた王が死んだ。