こちらは幅広い年齢層にオススメできる、王道のファンタジーです。
まず、タイトルがいい。
ファンタジー好きなら絶対に読みたくなります。
そして、その期待を裏切りません。
しかも、筆者様が娘さんのために書かれたという、母の愛に溢れた作品でもあります✨
半獣の少女という設定は、他にあまり類を見ない上に、熱い!
太陽のように明るい性格のイルは、辛い目に遭いながらも、強く前向きに生きようとする。
その姿勢が、読み手に希望を与えてくれます。
どんなに辛いことがあっても、自分で居場所を見つけて生きる大切さ。
あたたかい周囲の人たちの存在のありがたみ。
自己犠牲愛など――。
話の要所要所に、筆者さまが(おそらく)娘さんに伝えたいメッセージ性のようなものを強く感じました。
だからと言って、大人でも十分楽しめる内容になっており、これぞ「万人向け」の作品と言えるでしょう!
一作品が中編程の長さなので、起承転結がはっきりとしていて、大変読みやすいです。
さくっと手軽に読める王道ファンタジーというのは、なかなかないのではないでしょうか。
ファンタジーはあまり読まない、という方にもおすすめできますので、是非一度ご一読ください!!
舞台は異世界。物語は、主人公の14歳の少女:イルの故郷が謎の襲撃を受けることから始まります。
おだやかなイルの日常に降りかかる、突然の不幸。
彼女は父の最後の願いと共に、命からがら故郷を去ることになります。
人の姿を封じ、黒狼の姿となって……。
そして、逃げ延びた先でイルが出会ったのは、純粋無垢な王子と、ちょっと口は悪いけど頼りになる剣士:ガヴィでした。
しかし、この襲撃は始まりに過ぎなかったのです。
やがてイル達は国を揺るがすような大きな事件に立ち向かうことになるのですが、果たして――?
ストーリーはハードなのですが、文体はやさしいので、幅広い年齢層で楽しめる作品です。
なにより、イルちゃんとガヴィのやりとりがほほえましい! 二人のやり取りは、作品の雰囲気を明るく前向きにしてくれています。時々衝突してしまうデコボココンビなのですが、いざという時の息の合いようは見事です。
クライマックスの部分は、ほとんど一気読みをしてしまいました。
持てる力をすべて使って困難に立ち向かうイルの『姿』と、ガヴィとの信頼関係ともいえる思いの力。とっても熱い展開にワクワクしました。
王道の異世界ファンタジーを、幅広い年齢層で楽しめる。
なんて贅沢な作品なんでしょうか! おススメですよ!
児童~万人向けの魅力的な王道ファンタジーです。少女イルと赤毛の男性ガヴィなど魅力的なキャラクターとストーリーが楽しめます。作品の素晴らしさは他の方のおすすめレビューをお読みください。
さて先生との最近の会話を少しだけ。。
「東雲さん、アルカーナ、角川つばさ文庫小説賞に出した方がいいっすよ」
「えー、でも児童向けならルビとか振らないと……」
「いやそんな事しなくても大丈夫ですよ」
「いえ、私は振ります!」
こうして東雲先生は今、若い読者の為にひたすらルビふりをされております。小学校高学年の子がどんな漢字を習っているかきちんと調べながらです。こんな読者思いの作家がおられるでしょうか? さあ、みなさんも先生がどこまでルビをふったか確かめ応援しましょう。アルカーナ三部作は純粋に面白いんですけどね。
先生のラインアップには『染谷くんの日常』など他にも魅力的な作品がありますので、そちらもお楽しみください。
また、アルカーナを読んで育った娘さんSANAさんも小学生作家ですので覗いてみてください。https://kakuyomu.jp/users/sana-chan
突然自分の村が何者かに襲われ、大好きだった村の人々と父と兄を失った少女、イル。
彼女は黒狼に変化でき、とても明るく真っ直ぐな性格だった。
「ここで死んではならん。……生きるのだ。最後の願いだ、生きてくれ」
父の最後の願い。これを叶えるため大雨の中、森を黒狼の姿で駆ける。
その時に出会った、小さな男の子と、赤毛の剣士。
この出会いが、イルの人生を一変させた。そして、この二人と共にいれば、自分の村を襲い、家族を奪った犯人が分かるかもしれない。
前を向いて、進もう。
そう決意し、イルは、これから起こるハプニングに立ち向かうのだった。
何かを一生懸命がんばりたい!だれかを応援したい!と思っている人にオススメです😊
「がんばれ!」と思わず言ってあげたくなる。そして、「もっと続きが読みたい!」と思えます。
是非、読んでみて下さい!