結論 文字体系の完成

 ここまで読まれた方にはお分かりだが、1つの文字体系を作る出すにも幾重にも修正をせねばならない。特に生きている言語に関しては、実際に会話や筆記に使われるため、これからも修正が施されるであろう。実際、ドイツ語ではßの、フランス語ではæやœの撤廃の動きも見られる。また、文字と音韻変化以外にも、語彙や文法の変化も目まぐるしい。

 その一方で、ラテン語のように、これ以上変化が見られない言語もたくさんある。それは、その言語が「死んだ」からとも言える。古文書などの研究に用いられる他に、価値を見出せなくなった言語は、これからも増えるであろう。

 勿論、私の新文字体系は実用性に向けたものではなく、趣味の範疇を出ない。また、体系は作られたが、これを用いる言語は存在しない。通常、言語は文字に先行するが、私の文字体系は全く違う。だから、実際に活用してみないと、欠点を見つけることすら叶わない。大本は完成したが、この新文字体系を活用するに当たって、修正は免れないものになるであろう。

 また、今回私が作った文字体系はアルファベットだったが、実際にそれ以外にも様々な文字体系が存在する。異なる文字体系を作ってみることによって、また新たな発見があるのかもしれない。

 既存の言語を研究するもよし、新たな言語を作るもよし、私のように新たな文字体系を作るもよし、私の文字体系を活用するもよし。世界にはまだ未知の可能性に秘めている。その可能性は我々が毎日使う言語にもたくさん隠れている。

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有閑者の新文字体系 龍姫 @Nagaharu

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