みちづれ

 久本は、死の間際、自分はただ死に行き逢っただけだと語っていた、まるで自身に非がない被害者であるかのように。

 しかし真実は、彼は、自殺の瞬間を記録し、インターネット上に拡散してしまった。

 昔から久本は衝動的に動いてしまう傾向が見られたので、もしかすると悪意なく行ってしまったのかも知れないが、それは死者の尊厳を貶める、決して許されるべきでない行為だ。


 故に、久本、そして、久本が撮影した女性もまた、報いを受けた。

 彼が巻き込まれた、いや、自分から巻き込まれた事象の法則はなんてことはない因果応報の理。

 死者を貶めた者が、死者になる。

 ただそれだけの事。


 俺が、今、簡単ではあるが今回の騒動のあらましを纏めているのは、二度とこの事象が誰かを巻き込まないようにする為。

 久本のような人を出したくない、その一心で、これを書いている。

 タイトルは、そうだな、“みちづれ”なんてどうだろうか。


 俺は、視界の端に写る人影に目を伏せつつ、今もこれを書いている。

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みちづれ 紅葉 日和 @momizi27

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