こんなに長編の物語は、プロットを作るだけでも苦労したでしょう。それだけでも称賛に値すると思います。幼少の頃から現在までを遡って書いていますが、最後にもう一捻りあると最高だったと思います。
彩芽と清花、2人のそれぞれの記憶を辿る「追憶」と「反省文」によって綴られる濃厚で緻密な心理描写と幼馴染の悠介を巡る愛憎劇は圧巻でどんどん引き込まれて読み進めたくなります。物語は進むにつれ狂気を増し病みつきになる事請け合いです。おススメです。
物語はカリスマネイリストの綾芽、その幼馴染の清花、さらに二人の幼馴染かつ清花の夫の悠介の三人を中心に展開されます。注目すべきは、その心理描写の丁寧さ!一人一人の感情の揺らぎと変遷が、数十話ずつかけてじっくりと描き出されていき、彼らの悩み、苦しみを、読者である私も追体験した気持ちになりました。ストーリーの結末がどうなっていくのか、今後の展開にも注目です。