『身も蓋もない』という褒め言葉をお送りします

結愛ちゃんが魔法使いとして真咲くんにしてあげられたことは、決して多くなかった。それはご存知だと思います。
それと対比するように本編の最後で「自己犠牲の末に命を救う」という感動的な魔法でない要素を使いました。
それに対して主人公は「魔法が生んだ結果の数」といった短絡的な部分を見て、「見せびらかしただけ」「あまり活躍していない」と評価しました。異国の人間がしたことに理解が及ばなかったのか、はたまた分かった上でなのか、いずれにせよ身と命を呈して守ったのに「活躍していない」と言う『身も蓋もなさ』に、読んでいてとても心を動かされました。きっと彼は真咲くんの書いたライトノベル、もとい実体験のことを理解していないし、するつもりもないのでしょう。そんな無感情的なものに私はとても惹かれました。
とても面白かったです!ありがとうございました!

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