第46話 真相

 あれは『リミバカオス・ゼビリピード』のパッケージ版じゃないか!?


 なんで祭壇の上に、あんなものが置いてあるんだ!?


「ようこそ、珍者ちんしゃよパッケ」


 パッケージから声が聞こえてきた。


 こいつもしゃべれるのかよ。


「私は『リミバカオス・ゼビリピード』パッケ。この世界の創造主……」


 ええっ!?

 創造主!?


「の手下の手下の手下の手下くらいの存在であるパッケ」


「そ、そうなんですか……」


 なんじゃそりゃぁっ!?


「遭難はしていないが、そうなんですパッケ」


「そうですか……」


遭難そうなんはしていないが、ですパッケ」


「二度も言わなくていいですって!!」


遭難そうなんはしていないが、ですパッケ」


「なんで三回も言ったんですか!?」


「言わなくていいと言われたから、言いたくなったパッケ」


「ああ、そうですか!!」


 なんなんだよ、こいつは!?



珍者ちんしゃよ、貴殿にこれをやろうパッケ」


「えっ? なんですか?」


「ゆくぞパッケ! うひょへひょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!」


「な、なんだ!?」


「ソーセージメッセージアメジストセージビーム発射パッケ!!!!!」


 パッケージが白く光った。


 ソーセージメッセージアメジストセージビーム!?


 ナニソレ!?

 訳が分からんぞ!?


 うっ!?

 なんだ!?

 頭に何かが入り込んで来る!?


 なんだこれは!?


 えっ!?

 これは、この世界の創造主からのメッセージ!?


 えええええええええええええええええええええええええっ!?


 あのリンゴとミカンとバナナとカキとオレンジとスイカとヘイケガニが、まとまった状態で道に落ちていたのは、暇を持て余しまくっていた神が、暇つぶしに置いたイタズラだっただと!?


 それを見て転んで死んだ俺が、あまりにも面白かったから、褒美として俺の好きだったリミバカオス・ゼビリピードに少しだけ似ている世界に転生させただと!?


 珍者ちんしゃになったのと、ユユモアに出会ったのは、神からのサービス!?


 あとは好きに生きろだと!?


 なんじゃそりゃぁっ!?


 ひどすぎる理由だな!?



「……殿、アル殿、大丈夫でありますか!?」


「えっ? あ、ああ、問題ない……」


「あとは、これもやろうパッケ」


 祭壇の上に、金色の大きな宝箱のようなものが現れた。


「では、サラダバーパッケ」


 サラダバー!?

 なんでそんなくだらないボケをかましてくるんだ!?


 って、そんなのどうでもいいか!!



「結局、あいつはなんだったんだうす?」


「よく分からないでありますな」


「まったくだぜほしっ!」


「ぱね~ですね、ぱね~」


「しょ~しょしょしょっ! とりあえず、あれを開けてみるか?」


「そうだね、いちょ~」



 宝箱を開けてみた。


 直径一〇センチくらいの、虹色の石のようなものが大量に入っていた。


「これはなんなのだろうか?」


「これはもしや『カーネェ・メノモーノ』なのではこみじゅ?」


 金目のもの?


「なんだそれは?」


「宝石の一種ですよこみじゅ」


「これ確か、かなり高額で売れやすよことげぇ」


「そうなのか。なら、ありがたくもらっておくか」


 これから子供が産まれるわけだしな。



「なんかすごいことってのは、こいつのことなのかうす?」


「そうなのかな?」


「イケニエになっている良い雌は、どこですだぜか!?」


「探そうだぜだぜ!!」


「そうしましょうしょう!!」


「それはいないと思うが、念のため調べておくか」


「しょ~しょしょしょっ! そうだな!」


「「では、行くのであるもっち」」



 マオ~ラ・スボォスジャ・シ~ンのウトの中を調べて回った。


 しかし、何も見つからなかった。


「良い雌は、どこですだぜか!?」

「良い雌は、どこだぜだぜか!?」

「良い雌は、どこですですか!?」


「そんなのいなかっただろ!!」


「アオォォンッ! アオォォォォンッ!! アオォォォォォォンッ!!!」

「ウオォォンッ! ウオォォォォンッ!! ウオォォォォォォンッ!!!」

「オオォォンッ! オオォォォォンッ!! オオォォォォォォンッ!!!」


「やかましい! えるな!!」


「疲れたし、もう帰ろうよ、いちょ~」


「そうだな。行こうか」



「ただいま」


「おかえりとげぇ」


「おかえりなさいませ、アルヴェリュード様」


「おみやげは何っすわ~?」

「金目のものはあったのっしょ~?」


「いきなりそれかよ!? ほら、こんなのを見つけたぞ!」


「おおっ、金ピカの大きな宝箱ねでやんす~!」

「さっそく開けてみましょうねでやす~!」


「こ、これはもしやカーネェ・メノモーノざぁすか!?」


「うむ、そのようだなピピョーン」


「ええっ!? カーネェ・メノモーノがこんなにっすわ~!?」


「すごいっしょ~! さすがは珍者ちんしゃっしょ~!!」


「カーネェ・メノモーノがこれだけあれば、豪華な暮らしができるわねでやんす~!」


「素晴らしいわでやす~!」


「素晴らしすぎるざぁす!」


「アルヴェリュード様、愛してるっすわ~!」

「アルヴェリュード様、愛してるっしょ~!」

「アルヴェリュード様、愛してるでやんす~!」

「アルヴェリュード様、愛してるでやす~!」

「アルヴェリュード、愛してるざぁす!」


「現金なヤツらだな!!」



「そんなに高価なものだというなら、もっと妻を増やせるのではないですだぜか!?」


「おおっ、名案だぜだぜ!!」


「さっそく雌を探しに行きましょうしょう!!」


「やめろ!?」


「では、出発ですだぜ!!」

「出発だぜだぜ!!」

「出発ですです!!」


「させるかっての!!」


 ガギアキースセギトたちを捕獲した。



「アルヴェリュード様、お疲れでしょうでござる。湯あみの用意ができておりますでござる。汗を流してきてくださいでござる」


「ああ、ありがとう、ネヤユーワ」


「上がったら、この新作の服を着てくださいでござる!!!!!」


「それは却下だ!?」



 湯船にかった。


 ふぅ、温まるなぁ。


 それにしても、あれはなんだったのだろうか?


 まあ、どうでもいいか。


 今更気にしてもどうしようもないことだしな。


 さて、明日は何をしようかな?



 その後、俺は珍者ちんしゃの仕事をしながら、みんなとのんびり暮らした。


 めでたしめでたし。


 おしまい。

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転生できたら最強になれるであろうゲーム世界の主人公に転生したのだろうか? 三国洋田 @mikuni_youta

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