第45話 なんかすごいこととは?

「……これは妊娠しているようですねピピャピャピャピャ。おめでとうございますピピャピャピャピャ」


「ありがとうざぁす! これであーしちゃんも、この豪邸に暮らせるざぁすね!!」


「『浮気はほどほどに』と言ったのに、さっそく女を連れ帰るとは、さすが珍者ちんしゃねでやんす~」


「これは仕方なかったんだよ!?」


「うむ、本当は良い雌を、もっと大量に確保したかったですだぜ!!」

「まったくだぜだぜ!!」

「本当ですですね!!」


「そういうことじゃない!!」


「これはぱね~ぱね~ですね、ぱね~」


「どういうことだよ!?」


「ぱね~ぱね~ですよ、ぱね~」


「ああ、そうかよ!?」



「って、そんな話をしている場合じゃない!! ユユモア、なんかすごいこととやらをを教えてくれよ!」


「浮気をごまかすために、仕事をするのねでやす~」


「ひどい男っしょ~」


「なんでそうなるんだよ!?」


「しょ~しょしょしょっ! これはクズだな!!」


「まったくだね、いちょ~」


「やかましい! そんなことより、なんかすごいことだ! ユユモア、早く教えてくれよ!!」


「分かったざぁすよ。はい、どうぞざぁす」


 ユユモアからヤシの実のようなものを受け取った。


「なんだこれは?」


「そこになんかすごいことが書いてあるざぁすよ」


「ええ…… なんでこんなものに?」


「そんなの知らないざぁす! さっさと読むざぁす!!」


「はいはい、分かったよ!」


「『マオ~ラ・スボォスジャ・シ~ンのウトに行け』と書いてあるっすわ~」


 魔王ラスボス邪神のウト?


 禍々まがまがしすぎる名前だな。


「それはどこにあるんだ?」


「こことナンカスゴイコトシノイル町の中間あたりにあるウトだピピョーン。地図に描いてあるぞピピョーン」


「そうだったのか」


 意外と近くにあるんだな。



「そこで何が起きているんだ?」


「そこに書いてないなら、不明ざぁすよ」


「……何も書いてないな」


「なら、不明なのかほしっ!」



「では、調査に行って来るか」


「うむ、気を付けてなピピョーン」


「ああ、分かってるよ」


「おみやげ、よろしくざぁす! 金目のものが良いざぁす!!」


「それ、私も欲しいっすわ~」

「私もっしょ~」

「私にもお願いねでやんす~」

「私も分もお願いねでやす~」


「そんなのあるのか!?」


「知らんざぁす!」


「なら、頼むな!」


「アルヴェリュード様、新作の服が完成したので、着ていってくださいでござる」


「お断りだっての!! それじゃあ、行って来る!!」


 家を出た。



「ここがマオ~ラ・スボォスジャ・シ~ンのウトか」


「見た目は、前に行ったところと変わらないだぜだぜ」


「そうだな」


 洞窟のような穴が開いた砂山だ。


「しょ~しょしょしょっ! じゃあ、さっさと調査してしまおうぜ!」


「そうだね、いちょ~」


「そのあとは、良い雌探しをしようですだぜ! アオォォォォォンッ!!」

「ああ、やろうだぜだぜ! ウオォォォォォンッ!!」

「はい、そうしましょうしょう! オオォォォォォンッ!!」


「却下だ! さあ、行くぞ!!」



 マオ~ラ・スボォスジャ・シ~ンのウトの中に入った。


 中も前に行ったところと変わらないな。


 なぜか天井が光っていて、部屋の中央にデカい下り螺旋らせん階段がある。


 では、下りてみるか。



 階段を下りた。


「なんか不気味なところだね、いちょ~」


「まったくでありますな」


 周囲は、不気味な石像が多数置いてある神殿のような場所だ。


 邪神を祭っているという感じだな。


「何が起こっているのか知らんが、早く解決してしまおうぜうす!」


「そうだな。それじゃあ、進もうか」



「本当に不気味な場所ですですね」


「ああ、そうだな」


「むむっ、なんだか良い雌がイケニエにされていそうな気がするですだぜ!!」


 ええっ!?


「その雌を俺たちが助ければ、当然そいつは俺たちのものだぜだぜ!!」


「素晴らしいですですね! 必ず助けましょうしょう!!」


「そんなのいるわけないだろ!?」


「本当にそんなのがいたら、もっと町が騒がしいと思うぜうす」


「ああ、まったくだなほしっ」


「ええ~、そんなのつまらないだぜだぜ!!」


「良い雌を確保しておいてくださいさいよ!!」


「わがまま言うなっての!」


「「騒がない方が良いと思うのであるもっち」」


「それもそうだな。お前ら、静かにしてろよ」


「良い雌が欲しいですだぜ!!」

「良い雌が欲しいだぜだぜ!!」

「良い雌が欲しいですです!!」


「我慢しろ!」


「良い雌、良い雌、良い雌、良い雌、良い雌、良い雌ですだぜ!!」

「良い雌、良い雌、良い雌、良い雌、良い雌、良い雌だぜだぜ!!」

「良い雌、良い雌、良い雌、良い雌、良い雌、良い雌ですです!!」


「やかましいっての!!」



「さっきから騒ぎまくっているのに、何も起きねぇなうす」


「おかしくて、ぱね~ぱね~ですね、ぱね~」


「そうですねこみじゅ」


「ここには、ハモノがいないんでやすかねことげぇ?」


「どうなんだろうな?」



 奥に西洋風の大きな祭壇がある広い部屋にやって来た。


「また不気味な部屋だなうす」


「そうだな」


「むむっ、ここにイケニエの良い雌がいそうですだぜ!!」

「探そうだぜだぜ!!」

「そうしましょうしょう!!」


「はいはい、分かったよ。では、調べてみよう」



 祭壇に近付いた。


 えっ!?

 あれは!?

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