幽闇を灯す春を待つ
花野井あす
幽闇を灯す春を待つ
ここは
周囲は薄めた墨で塗籠られてある
何ひとつ映されない
時おり
だが届かれることはない
その
何時とは無しに
何者にもなれぬやもしれぬ
この薄墨と連なる無なのやもしれぬ
まっさらな虚ろなのやもしれぬ
何時しか
墨染の
その時、
それだけが
故に
幽闇を灯す春を待つ 花野井あす @asu_hana
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