第8話

ああ本当に似ている。

姿形だけでなく声も名前も性格も何もかもが似ている。

優衣という子はまだわからないが多分そうだろういやそうであって欲しいと思ってしまう。

嬉しさと困惑が出てきて感情の整理が追いつかない。

「だ、大丈夫?ですか」

「大丈夫大丈夫それよりそろそろ起きてもいいと思うよ優衣」

「あはは〜バレてたか」

寝ていたゆいは立ち上がり少し恥ずかしそうに頭を少しかく。

「え!?ゆいもう大丈夫なのというか寝たふりでもしてたの?」

「いやーただうん。起きるべきタイミングを見失ったというかなんというか。のぞみの笑ってるところで…ね」

「あああああああ!!!」

のぞみの顔はいちごみたいに真っ赤になる。

すぐに手で顔を覆うが耳まで真っ赤なので恥ずかしがっているのが丸わかりだ。

「ところでお兄さん名前は?」

「あっゆい」

「私に名前はないよ」

「この方には色々と事情があるそうなの」

「それは…ごめんなさい」

「気にしなくていいよ」

少し申し訳なさそうにしていたゆいは何かいいことを思いついたのか。

近くに置いてあったバックの中から紙とペン二個取り出し一個ずつのぞみに渡す。

「この紙とペンは何?」

「お兄さんの名前がないなら私ら二人で決めちゃおうよって思ってね」

「そんな勝手に決めていいのかな?」

のぞみは申し訳なさそうにこちらを見る。

「いいよ私も名前がないのは不便だと感じてたから」

「やったーじゃあ今から五分間考えてせーのでお兄さんに見せて気に入ってもらえたほうをこれから名のってもらうね」

「ああ別に構わない」

「いいって言うのなら…うん」

「よーしそれじゃあスタート」

ゆいが右手を上から下に下ろし開始の合図を出す。



二人は悩みならも書き終えた。

「じゃあせーので出すよ」

「うん」

「せーの」

「「じん」」

二人は互いに顔を見る。

二人が紙を見せると同じ文字が書かれていた。

「ははは二人とも同じだね」

「ふーんのぞみはなんでこの名前にしたの?」

「それはこの人が神お兄ちゃんに似てたから。そういうゆいこそどうなの」

「私ものぞみと一緒」

「それでお兄ちゃんは被ったけど神でいい?」

「うん今日から私は神と名のろう」

またその名前で呼ばれるのか。

「やったー!」

喜んでいるのぞみをよそにゆいが質問してきた。

「じゃあ一通り自己紹介?が済んだから聞きたいんだけど胸にできてたはずの傷どうやって癒したのしかも服まで」

目を見るとキラキラ光っていたので興味がある様だった。

それに対して自分が思っている事を全て素直に答える。

「それに関してはわからん。どういう原理で服も治せるのかなんて考えたことないからマジでわからない長年共にしてきた剣の方が詳しいんじゃない?主に任せてるし」

そう言って剣を虚空から取り出して軽く叩く。

「リュゲル起きろ」

『なんだ?珍しいなわしを起こすとはって妹たち生き返ったんか!?』

「「け、剣が喋ったー!?」」

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