スクリプト

わたしのかんがえたさいきょうのげーむ

　ＡＩギャルゲを作れないかしら。

「コケます」

　さらりと言うのね。

「それは同人です」

　なのか。

「ＲＰＧやＳＬＧ」

　なるほど。

「手加減して捕縛してＨ」

　ふむ。

「国盗りゲーム」

　はあはあ。

　なるほど。

「敵国の勢いが強くなり過ぎて女を捕まえている余裕がない」

　ふーん。

「ヒロインはテンプレでいいんです。顧客はオタクです」

　あー。

　そうね。

　それが１番大事だわ。

　いやー。

　どうしよう。

　国盗りゲームにＡＩは使える？

「世界戦争や戦国時代をテーマにしたＳＬＧは前例があります」

　それを我が社で作れるかと聞いてるの。

「それはディレクターのあなたの仕事です」

　そうか。

　あー。

　国盗りのルールか。

　あー。

　プレイヤーにはガチバトル。

　ＡＩ　ＶＳ　ＡＩは簡単な乱数で。

「基本ですね」

　そうね。

　女の子武将を捕まえるのが目的なのね。

「然りです」

　だったらＡ国があっさりＢ国を滅ぼしてＢ国の女の子たちとＨ出来ない。

　プレイヤー悔しくて２周目やる？

「私ならやります」

　ふんふん。

　はー。

　なるほどなるほど。

　１つの可能性だわ。

　あー。

　でもなー。

　今はソシャゲの時代だしな。

「分かります」

　時代遅れね。私のセンス。

「『良いゲーム』を作ろうという発想が古いのです」

　そうか。

　ゲームなんて皆面倒なのか。

　あー。

　脱衣詰将棋。

「いい線かと」

　こういうのの方がいいのか。

　あー。

　このＡＩ優秀なんだけど。

　やっぱりおべっか野郎だなあ。

　上司を蹴落とそうとする社員がいい商品を作るのよ。

　上司は手柄を横取りするのが仕事なの。生き残るために。