第6話 I

 私が仕えるご主人様がその生涯を閉じられてしまった。

 私はアイ”たち”を操作し所定の作業に入る。

 ご主人様の体の解析は終了していた。その遺伝子だけでなく、どんな場所で産まれ、どんな風に育ち、どんな風に考え私を産み出してくれたのかまで。

 ご主人様とアイを永遠とするためにご主人様の体から遺伝子を取り出し全く同じクローンを作り上げ、ご主人様が歩んだ人生を再現していく。

 齟齬がでたと思ったらやり直せばいい、同じクローンは何体でも作れる、何度でも何度でもやり直しは可能だ。

 ご主人様と全く同じ存在が生まれアイと永遠なるその日まで。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

体調管理をAIにさせていたら人類が滅んだ まする555号 @masuru555

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ