Akua-アクア-Ⅱ~愛と憎しみの果てに~
第9話「カスタ村にて」
カスタ村風景イメージイラスト
https://kakuyomu.jp/users/ca8000k/news/16818023213800288486
―その者、水を操る剣士なり。世に危機が迫った時その者、はるか西の地より現れ、
水の都を救った。剣士には、仇敵がいると聞く、無事に滅せる事を我らは心より願う―
-ウォーター・タウン新歴史書より-
短い黒髪、切れ長の水色の瞳、長旅で薄汚れ擦り切れたこげ茶のマント。
水を操る伝説の剣士、魔水士の末裔で現在、十九になるアクア=ブレイドスは、ウォーター・タウンの宿屋の少女アメリアと別れた後、長旅の末についに妹リーゼを殺めた憎き仇のカノン=デスタニアの居場所を突き止めた。
ここは、水車とチューリップが名物ののどかな村、カスタ。
冒険者ギルドの情報だと、カノンは現在、この村に潜伏しているようだ。
やっと、やっと妹を裏切った憎い、カノンを葬れるそう確信し、アクアは表情を強張らせ、村の入り口から足を踏み入れた。
アクアは、この村の冒険者ギルドに寄って情報を得てから串焼き屋の屋台に行き、店主に2ギラ払うと丸い小さな小麦パンと、こんがり焼けた豚串焼きを頬張りながら、活気のある屋台や商店の様子を眺めていた。
すると、人が行き交う人混みの中に一人の女性の姿を見つけた。
黒髪のロングヘア―で瞳は、水色の少女。
リーゼ?イメージイラスト
https://kakuyomu.jp/users/ca8000k/news/16818023213800481345
アクアは、ハッとして驚いた。
その少女は、カノンに殺害された彼の妹、リーゼに瓜二つだったのだ。
彼は、切なさと愛しさに震えながら、狐につままれたような表情をする。
「嘘だろ、リーゼ…!?」
「白昼夢でも、幽霊でも良い!どうか、消えないでくれ!!」
アクアは、カウンターに置かれた皿に食べかけの串焼きと、パンを置くと食事もそこそこに木製の丸椅子から勢い良く立ち上がり、その少女の姿を見失わないように必死に追いかけた。
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続編始まりました。
亀更新ですが、よろしくお願いします!
Akua-アクア-【完全版】~愛と憎しみの果てに~ 夢月みつき @ca8000k
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