第12話 歪んだ正義

☆(早見恋実)サイド☆


何が起こっているか全く分からないが。

だがこれは私にとって恋葉にとってかなりの邪魔が入ったと思う。

考えながら私はお兄ちゃんを見送る。

それから玄関から外に出てからお兄ちゃんは話している様だ。

私達も耳をすませながら話を聞いてみる。


「お前は何故この場所に?」

「うん。簡単に言ってしまうとね。.....貴方の姉妹ちゃんと付き合うより私と付き合ってくれない?って話だよねぇ」

「何を言っているんだお前は?そもそも俺は誰とも付き合う気は無い」

「.....そうなの?」

「お前も訳は知っていると思うが。俺は裏切られているから。彼女にな。だから今はそんな気分にならないんだ」

「じゃあそんな気分にさせたら良いかな?私の身体で抜くとか」


(クソ女が!)

私はそう思いながら飛び出して行こうとした。

だがそれを恋葉が止める。

それから首を振る。

私は「?」を浮かべながら「何で止めるの」と聞くと恋葉は「お兄ちゃんを信じよう。手を出したら犯罪だし。私達の負けだよ。恋実」と言葉を発した。


「確かにそうだけど.....」

「私は信じる。お兄ちゃんをね」

「.....そっか。貴方がそう言うならだけど」

「大丈夫だよ。恋実。私は信じてる。おにーちゃんを。あんな屑には飲まれないってね」

「恋葉は凄いね。イライラしないんだ」

「しているに決まっているでしょ?だけど私はおにーちゃんは昔と違うって思っているから。ただそう思っているだけだよ」


恋葉はそう言いながら玄関に顔を付ける。

それから外の様子を伺う仕草を見せる。

私はその姿を見ながら私も外を見つめる。

するとお兄ちゃんが「お前もう帰れ」と言い出した。


「何故?家にも上げてくれないの?」

「当たり前だろ。お前はおかしいんじゃないのか。お前を上げる気はしない。お前は一体何なんだ?本当に」

「私は貴方が好きなだけだよ?アハハ」

「冗談でもそれは止めろ。っていうかお前の場合は股ばっか開いているだろ」

「言ってくれるねぇ.....そんなのやってみないと」


私達はイライライライラしながら話を聞く。

するとお兄ちゃんはゆっくりと溜息を吐いた。

それから「申し訳無いがお前の冗談には付き合えない」と切り捨てて「もう帰れ。二度と来ないでくれ」と言った。

そしてお兄ちゃんは応えを聞く前にそのまま家の中に入って来る。


「.....お兄ちゃん」

「アイツは.....何か違和感がある。気を付けておく必要があるかもな」

「そうだね。うん。私もそれは思うかも」


そう恋葉とお兄ちゃんは切り出す。

それからお兄ちゃんは「正直ああいうのは嫌いだし苦手だ」と眉を顰めた。

私はその顔を見ながら「そうだね。お兄ちゃんはああいう人嫌いだもんね」とホッとする。

それにしてもあの女。

何を考えているのか全く分からない。


「敵だね。ハッキリ言って」

「そこまでは無いかも知れないが俺は嫌いだな」

「いや。敵だよお兄ちゃん。私はああいう人が大嫌い。だから敵だね」

「まあ何つーかお前らがそう言うなら敵なのかもな」

「そうだね。私は絶対に許さない。お兄ちゃんを奪うなら」

「私も決して許しはしないけどね。おにーちゃんを奪うなら」

「お前らはやっぱり姉妹だな」


そんな会話をしながら私は外を見る。

あの女は居なくなっていたが。

まだ決して油断はできないだろう。

考えながら私は外を暫く眺めていた。



翌日になった。

私達は学校に登校する為に準備をしてからドアを開けるとそこにクソビッチが居た。

まさかの事に私達は仰天する。

それからクソビッチは「おはよう」と言いながら私達を見てくる。

私と恋葉はお兄ちゃんに近づけさせるまいと思いお兄ちゃんの前に飛び出る。

そしてクソビッチを睨む。


「何ですか?貴方。.....しつこいですね」

「うんうん。あ。えっとね。考えたんだけど私は君達も愛せれば良い様な気がした」

「は?何を言っているんですか?」

「私は玖くんの家族も愛せれば良いかなぁって思いながら考えてきたの。そしたら幸せが掴めるかなって思って」

「意味が分からない。私達に近付くなら容赦はしない」


「私はあくまで玖くんとお近づきになりたいしね。色々知り合いませんか?」と言ってくるクソビッチ。

私はその言葉に「有難いけどお断りします」と強く言い放ち私はお兄ちゃんを連れてから歩き出した。

するとクソビッチは横を歩いてくる。


「付いて来ないでくれますか」

「まあそう言わず。これまでの事は謝るからさ?ね?」

「そういう問題じゃ無いので」


そんな会話をしながら私達は歩いて高校に向かう。

いつまで付いて来るのだこのクソビッチ。

そんな事を考えながら私は抵抗しようとした。

するとその前にお兄ちゃんが「長妻だったな。お前。.....申し訳無いけど俺はお前とは一緒に行動できない」と言った。


「.....長妻。お前は調子に乗り過ぎだ」

「調子に乗り過ぎっていうのは?」

「一体何が目的なんだお前は。ウザいぞ」

「.....私はそんなにウザいかな?こうやってお願いしているのに?酷いね」

「酷いとかそういう話じゃない。お前は.....まさかと思うが何かフットワークが軽すぎるし.....まさかと思うが誰かと契約でも結んでいるのか」


私達は愕然としながら「まさか!?」と言った。

すると長妻は苦笑しながら「それはどういう意味か分からないなぁ」と言いながら離れる。

それから「まあでもそこまであれこれ言うなら仕方がないね。作戦を変えるよ」と歪んだ笑みを浮かべる。

私達はその笑みを見ながら「.....」という感じで沈黙する。


「じゃあね」

「.....」


クソッタレそういう意図があったか。

思いながら私は貞本に腹を立てる。

どいつもこいつも信用できない。

そうなるとやはり信頼出来るのは私と恋葉だけだな.....。

本当に腹立たしい。

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幼馴染に浮気され俺の義双子が暴走したのだが アキノリ@pokkey11.1 @tanakasaburou

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