第11話 絆の崩壊の序章

☆(早見恋葉)サイド☆


うーん。

恋実の様子とおにーちゃんの様子がおかしい気がする。

おかしいってのはどういう意味かというと最近おにーちゃんと恋実がめっちゃイチャイチャしている様な気がする。

私は口をへの字にしながら考える。


それからペンを鼻と口の間に挟む。

そして乗っている椅子を軋ませてから私は2人が帰って来るのを待っているとドアが開く音がした。

それから「ただいま」と声がする。

私は慌ててからおにーちゃんと恋実の元へ向かう。


「ちょっと遅かったね」

「ああ。モカと話していたからな」

「モカさん?元気そうだった?」

「アイツはクソ元気だよ。何か違和感がありありな感じでな」

「そっか。おにーちゃんはモカさんにもデレデレしたんだ?ふーん.....」


「お前の耳は節穴か?」とおにーちゃんは苦笑いで苦言を呈す。

「違うなら良いけど」と言いながら私は口をへの字にしながら恋実を見る。


恋実が喋らない。

それどころか赤くなっている。

何だろう。

見た感じ違和感を感じる。


「恋実?何かあったの?」

「え!?な、何も無いよ?」

「本当に?怪しいんだけど.....」

「わ、私はいつも通りだけどな」


うーん。

やはり何かあったな。

恋実はそうだが私も物事を隠すのが凄く苦手だ。


私は考えながら恋実を見る。

恋実は汗をかきながら目を回す。

その様子に溜息を吐く私。

そして「分かった」という感じになる。


「おにーちゃんさんや」

「あ、ああ」

「私にも同じ様な事をしてくれるかね?いや。むしろしてほしい」

「えっと。わ、分かった」


私は「それなら納得」と返事をしながら頷く。

それから私は笑顔になってからそのまま「お菓子買ってきた?」と聞いてみる。

すると恋実は私に意を決する様に向いてくる。

頭を思いっきり下げた。


「やっぱり隠し事は良くないかな」

「恋実?」

「恋葉。私はお兄ちゃんを間違いなく横取りしようとしていたよ。ごめんなさい」

「恋実.....」


「私はお兄ちゃんが好きだから」と恋実は私に泣きそうな顔で向いてきた。

そんな顔に私は「.....うん」と話を聞く。

すると恋実は「ゴメン。やっぱり私はお兄ちゃんを独占したいんだ。姉妹の恋愛より」と告白してきた。

私は「!」となりつつおにーちゃんを見る。


「私はお兄ちゃんが欲しい」

「そんなの私も欲しい。同じだよ」

「.....お前ら.....恥ずかしいぞ!」

「黙って。お兄ちゃん」

「真剣な話だよ」

「そ、そうですか」


私はおにーちゃんを叱る。

それから私は恋実に再度向く。

「じゃあどうする?」と恋実を見る私。

恋実は「恋葉とライバルになりたくないけど私はお兄ちゃんを独占したい。キスもセックスも私のものにしたい」と話した。


「成程ね。分かった。じゃあ私も同じだから。私も当然お兄ちゃんが好きだから。ライバルには確かになりたく無いけどライバルだね。結局おにーちゃんは1人しか居ない訳だから」

「そうだね.....」

「私はおにーちゃんが欲しい。だからこそこういう事もできる」


言いながら私はおにーちゃんの頬にキスをした。

それから私はおにーちゃんの腕を回す。

そして私は恋実を見る。

恋実は一連の私のまさかの行動に慌てる。


「れ、恋葉?!」

「容赦はしないよ。私はそうと決まったら」

「そ、そんなの私だって容赦しないもん!」

「そう?でも恋実にそんな力あるかな?」

「あるから!私は力あるし!」


そう言いながら私を見てくる恋実。

ニヤニヤしながらその顔を見る。

すると恋実は少しだけ頬を膨らませる反応をしていたがやがて柔和な感じになった。

それから私を見て「良いライバルができた」と笑顔を浮かべた。


「私はライバルって思わないよ。対等する存在って思う」

「同じじゃないの?それは」

「私にとってはそうは思わないよ。恋実」

「.....分かった。恋葉がそう言うなら私も貴方を最大のライバルとして見るね」


それから私達は笑顔になりながら見つめ合う。

するとインターフォンが鳴る。

おにーちゃんが出た。


そしておにーちゃんは愕然とする。

画像をよく見ると見た事のある人物が映し出されている。

それはあのクソビッチだった。

何故住所を知っている!

私は考えながら眉を顰めてから文句を言いに行こうとするとおにーちゃんに止められた。


「待て。何か嫌な気配がする」

「だけどこのままじゃあ」

「俺が出るから。お前らはここに居ろ」


それからおにーちゃんは玄関に向かう。

何が起こっているのだ。

あのクソビッチがこの家に?


住所をどっから知りやがった。

考えながら私は恋実を見る。

恋実も腹を立てている様に見えた。

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