野生の世界における暴力とは秩序を生み出すものである。
人間の世界における暴力とは混沌を生み出すものである。
しかし、人間という存在自体は野生から大きく乖離したものではない。
人間が暴力を行使する時、生み出されるのは秩序か混沌か。
『人生はクローズアップで見れば悲劇だが、ロングショットで見れば喜劇だ』とはチャールズチャップリンの言葉だ。
それに倣って、『人の暴力行為は渦中にいたり、近くで見る分には混沌を生む悪貨だが、時間的にも空間的にも距離を置いて俯瞰で見たならば秩序を生み出す良貨である』と言う事も可能なのかも知れない。
この【淘汰ノ春】という作品は、私にそんな事を考えさせてくれました。