出世
結果だけの報告となることを許して欲しい。
臨場感もたっぷりの実況を意気込んでいたのだが、始めの一匹・・・一騎を潰した時、正直萎えた。
金属を張った革鎧を着てたらしいのだが、こう、なんというか・・・巨大な芋虫をぷちっ、とやってしまったような手応えで、血や胆汁といったいろんな体液他内臓おまけに消化排泄物をゴッソリと浴びてしまい、正直めたくそテンションダウンしてしまった。
その後は被害にかまわず駆けてゆく奴原(言い方気に入った)めどもに背後から曲射弾道で英語魔法ワーラーをぶちまけ馬から叩き落した。
自分もマッパになり充分に糞尿交じりの臓物臭を濯ぎ、残りの九人は伝統的な攻撃魔法、ファイヤーボールで焼いた。
つか、まき散らした・・・と言った方がいい景観だった。
強力になるかとおもい、英語風に「はいのぼー」つってみたのだが、頭の上に巨大な火の玉が出てきていつまでたっても奴らに飛んで行かず、某横スクロールゲーの「頭撃てよ」の音声合成を必死で思い出し「シュデミダヘッ」で漸く九つに分かれてシュッ、と飛んで行き着弾と同時に起爆した。
頭がおかしくなるかのような轟音、そして爆炎と地響きだった。
ひどい、異世界戦闘ひどすぎる。
もっと「・・・今、なにかしたか?」等の定番演出を準備してたのになんなん。
空に吹き上がった土と石くれで青空どころか太陽も見えん。
ファイヤー系封印だろヤバすぎる。
さらにボクサーブリーフ以外は匂いが染みついていくら温かいウォーターで濯いでも落ちず、しかたなく生パン一丁で主の下へ帰った。
マイロード達は馬車を止め、騎馬の装備を解いたり汗(馬の)を拭いたりしていた。
「あの途方も無く高い爆炎と土煙はおまえの仕業か」
「は、面目次第もございません・・・」
道も何も消し飛ぶどころか穴だらけの大地ですよ・・・
「いや、見事である。以後は我が従卒として直近へ侍れ。行くぞ」
「あ、有難き幸せ!」
立った!クララが勃ったよ!!!!!
ひょっとしてもう髪の毛とかいらなくね?
馬鎧やらカパラソンやらを馬車の屋根に積み上げ、今度は鎖ナシで我が主の左後ろを駆けるのであった。
転生させてやると言われたらそのままの姿で転移されてしまった上チートを貰ったにもかかわらずイキるだけでなんのヒロイックムーブも出来ず埋もれてゆくだけの悲しいおやじの物語 プリオケ爺 @hanagehanage
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