襲撃
「うむ・・・リュシアン、こい」
「ハッ」
あげた面頬から銀のクセっ毛がこぼれる美少年といった風体の騎士が寄る。
「これを姫殿下に」
「かしこまりました」
美少年騎士が馬を駆けさせキャビンへ並走する。
見えないが、少年があの小汚いハンカチを差し出してしばらくすると、明るい少女の声が風に流れてきた。
「・・・効いたようだな。でかした」
俺ん時は会社の慰労会のバスで経理のおば・・・お姉さまに頂いて「アロマだかなんだか知らんが俺はおっさんだぜ?一人前のオトコがこんなおちゃらけたモンでどーにかなると・・・ふわぁああああ」て頭痛吐き気眩暈が一瞬で消えて吃驚したんだよなあ懐い。
実は今の今までアヘンでも入ってたのかと疑ってた。
「ようございました・・・フフ、美少年と美しい姫、まこと絵になりますな」
「おつらい身の横にせめて一輪の花くらいは、とな。・・・詮索は無用ぞ」
「は、わきまえております」
歳のせいか・・・美少年を讃える姫を見てもなんの嫉妬も起きんわ。
いや、従属魔法の効果だな。
美しい我が主に仕えることで、全てが満ちたりて超礼節を知りすぎてる状態、て感じ。
つーかオレが差し出したんじゃ匂い嗅ぐ前に嘔吐するかもだしな・・・黄色いゴブリンか、フフフ・・・
新種のゴブリンも悪くない、と思い始めたあたりで全身を叩き飛ばされるような大音声の警告が響き渡る。
「敵襲!」
めたくそビックリした!!!!!!
金玉がキュッ!と縮んじまったぞ、大声やめてくれよマジで。
「追撃か」
「10騎ですね・・・先ほどまでのこのゴブリンの立てる土煙で発見が遅れました」
ゆるい丘陵の上にさしかかったあたりで、追手だっつーキラキラした奴らと土煙が見えた。
「これは追いつかれるな」
ここはお使いしてポイントアップだろ。
「僭越ながら我が主よ、御心を煩わせる羽虫如き奴原めは何卒この匹夫におまかせを」
俺も大概ヒップなやつだぜ、フフフ・・・
基本的に指示待ち人間だから出るとこ待つとこの判断できねーんだよな。
だから戦闘ていうお仕事状態になったらぼっ立ちのままアーウー言うくらいしかできなくなるしさっさと一人好き勝手できる状態を手に入れなければならない。
「そうか・・・まだ名を聞いていなかった」
「ゲール・ゥサヴァーヤに御座います」
草林茂つったんだけど・・・なんだよゲロクサって・・・ひどい!自動翻訳ヒドすぎる!
「ゲイルよ、死ぬことまかりならんぞ。生還の暁には我が褥へ入ることを許そう・・・行け」
「は、ははぁー!このゲイル、直ちに我が主の愁眉開いてごらんに入れます!では」
ゲイルwwwめたくそカッコいいじゃんねwww
鉄輪を千切り、巻き取った鎖を差し出す。
その重さが消えると同時に後方へと飛ぶ。
体の前方で圧縮された大気が熱をもつ。
褥・・・美少女とセックス・・・・・軽い、軽いぞ体が軽い!
体中、指の爪の先まで熱い血流が巡っているようだ・・・これが真の忠誠への目覚めか!
地に馬蹄を轟かせ並び迫る敵十騎がめたくそ小さく感じた。
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くるま酔い止めアロマは書き手の実体験ですが同じような商品探しても無いんですよね~・・・やっぱ海外の御禁制品だったのでは?
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