閑話 その1

王宮内は騒ぎになっていた。

「まだ見つからないの⁉︎」

「はっ、その様で。申し訳ございません」

首を垂れて報告しつつも、上目で盗み見るその表情は目元が仮面で隠されておりよくわからない。

「あの子は見つからないし、奴が逃走して決定剣も奪われた。早く、早く見つけないと!」

「そう焦る必要はございません」

「理性」

そう呼ばれた男は顔を上げて口角をゆるりと上げた。

「大丈夫です。お任せください」

「……あの花のせいよ! あの花があんな事しなければ」

「花は処分致しました。逃げた者も直ぐに見つかるでしょう。いいえ、戻って来るはずです。こちらには人質がいるのですから。ご安心下さいませ。───アオ様」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

私の王様ペンギン 木戸秋星 @kido-sei

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ