第4話 拷問の恐怖にそそり勃つ乳首

特高警察の拷問は苛烈を極める。

それは女囚に対しても同様だった。

朋子も例外でなく壮絶な責め苦にさらされることとなる、と予想ができた。

「脱げ!!」

一夜を独房で過ごした朋子を、早朝6時に迎えにきた警部補の高田は囚われの革命女子に全裸になるように命じた。

朋子は捕えられた際に身につけていた浴衣姿のままだった。

さすがに嫁入り前の女にとって厳しすぎる仕打ちだが、朋子は意を決して帯に手をかける。

逆らったところで一糸纏わぬ姿にされることは明白だ。


それならば、いっそ自分から、という朋子のプライドだった。

揃えた白い素足の後ろに、浴衣が舞うように脱ぎ捨てられた。

全裸にされた朋子。それでも唇を噛みしめ悔しさをにじませながら、せめてもの抵抗を試みるかのように右手で豊かな乳房を、そして左手で秘部の茂みを隠す。

「フフフ、気は強いがいいカラダをしておる」

高田は満足そうに、朋子の顔からつま先までを眺めまわすと、来い、と乱暴に朋子の腕をつかみ連行していった。


(拷問にかけられるのだわ…)

ひたひたと長く冷たい廊下を素足のまま歩かされながら朋子は、恐怖に慄いた。

これまでも何人もの同志や同胞が、国家権力の魔手に堕ち、罪を認めさせられ、あるいは転向を余儀なくされ、場合によっては獄死することもあった。

女の活動家仲間で逮捕、捕縛された者はおらず、いわば、その活動組織を『貝の衆』において、朋子はその女囚第一号として名を連ねたわけだ。

「さあ、手錠を嵌めさせてもらおうかのう、女だてらに革命なんぞに身を投じる主義者じゃ。何をするかわからん」

綺麗な素肌を晒したまま、金属製の枷の感触を手首に覚えるとさすがの女傑朋子も恐怖のあまり、ツンと形の佳い乳首が固くなる―――――。

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特高警察の夏・革命家の乙女の無情な闘い 外道 @kokuzoku

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