第18話 低能バカと仲間たち


 都知事選の話題も落ち着いたね。降って湧いたように一人の候補者が話題をさらったけどさ。SNSを駆使して、若い世代を中心に票を集めたらしい。だけど世の中を驚かせたのは票の数よりも、あの開票後のインタビューだね。リアルタイムで見てたんだけどさ、「うぜえ……聴かれた事にさっさと答えろよ。手応えがあったかって質問がそれほど難しいか?」ってうんざりしたよ。質問に一々つっかかって逆質問で簡単な話をややこしくする一連のやり取りは、◯◯構文って盛大に揶揄されてるけどさ。


 でもまあ、いるよね、ああいう奴。いい年こいた大人でもいる。◯◯構文を使うって事じゃなくて、本人が「これがかっこいい、これが効果的なはず」と思ってやってる事が世間と絶望的にズレてるのを本人がまるで気づいてないケースね。 尖ってるから一時は人がおもしろがって集まってきたのを、自分はやはりカリスマ性があるとかって思っちゃう。これはね、なかなか治らないよ。重度の中二病って言っていい。


 これは小説を書く上でも当てはまる。書いてる本人は「この世界観がたまらない」「この流れでこの振る舞いは最高だ」「この決めゼリフはしびれる」って思って書いてるのに、大多数の人間には「寒い、ひたすら寒い、こいつバカじゃねえか」って思われてるケースね。だから読まずに離れていくけど、書いてる本人だけは「俺の作品サイコーなのに、なんで読まれないんだ?」ってなる。この手の中二病は、およそ反省したり自分を責める事がない。


 人が離れていったり、批判されたりしても「なんでだ? なんでだ? 俺はおかしな事はしてない!」って他責思考に陥って、ひどいのになるとさらに一層自分の正当化に走って、どうにもならなくなる。頼みの綱は取り巻き信者だけど、それすらやがて離れていく。なぜかっていうと、そんな人間の取り巻きしてる事が恥ずかしくなるからね。取り巻きをしてた事すら隠すようになる。


 この手の低能バカとその信者たちって構図が、最近どうも増えてるように思うね。もしも自分の周辺にそんな奴らがいたら、低能バカには関わらないのが一番。そしてその取り巻きは、ああ……こんな低能バカに感化されるバカなんだなって眺めてるのが一番。

 まあ、でも全体的に幼稚な大人が増えてるような気がして、色々とこの国の未来は暗いねえ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

まるっこ雑記 まるっこ @marumarunomaru

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ