第16話 金を失うという事

 アホだねえ、アホ国家だねえ、情けなくて涙が出てくるよ。

 円がさ150円なわけだよ。これがなんでかっていうとアホ総理のアホノミクスで円を大量に刷ったからだよ。なんでも同じだけどさ市場に出回ってる数が多くなれば、その物の価値は減っちゃうわけじゃんか。それを国家が意図的にやったわけだよ。

 

 これがさ日本が、資源が大量にあったり、海外相手に物を売る企業であふれてる国なら素晴らしい政策だよ。同じ商品を海外に売って80円しかもらえなかったものが、150円もらえる事になるからね。

 でも現実は真逆なんだよ。資源なんてほとんどなくて、食料自給率ですら3割を切り、輸出企業に至っては2割を切るんだよ。もうねアホの極みとしか言いようがないよね。

 つまり多くを輸入に頼り、海外から物を買わなくちゃいけない。かつて80円で海外から買ってたものに150円出さないといけない。ほぼ倍だよ倍。

 石油でも小麦粉でも、なんでもそうだけどさ。で、その値上がった分は当然値段に反映されるわけだよ。国が海外から買う→卸売→企業や小売店→消費者だからさ。

 その時に国民の所得も上がってれば問題ないんだけど、国民の所得は30年間止まってるんだよ。物価だけが上がるという最悪の状態ね。


 でも、これにはカラクリがあるんだよ。円の価値がどれだけ下がろうと痛くも痒くもない方法があるんだよ。それは円を違う形のもの、つまり株、外貨、不動産、ゴールドなんかに変えてる場合は一向に痛くないんだよ。円が下がった分、他の分が上がるからね。株が下がればゴールドがあがる。富裕層はそうやって、自分の資産が何があっても目減りしないようにリスクヘッジしてる。でも円を現金としてしかもってなかった場合、その現金の価値は恐ろしいほど下がり続けてるって事なんだよ。

 

 現金至上主義のお年寄りとかが陥りやすいんだけどさ。留学してるかわいい孫に「ちょっと100万円ほど送金してあげよう」って送ったらさ、ひと昔前に100万円の価値があって「うれしい、ありがとう!」ってよろこばれたものが「うれしいけど、今はこっちで両替したら5〜60万円にしかならないよ」って孫に言われちゃうわけだよ。高齢者自身が国内で金を使う場合もそう。ありとあらゆるものが値上がりして、同じ額を出しても、一昔前に比べると買える量が全然違って愕然とする。


 今、トヨタとかソニーとか海外相手にバンバン商売してる企業、円をとっくに他のものに変えてる富裕層なんかは笑いがとまんないだろうけどさ、そんなのは極々一部なんだよ。そして平たく言うと、この極々一部の儲けのために大多数を犠牲にしたのがアホノミクスっていうオチなんだよ。こんな簡単な話をメディアはしないから、いまだに気づいてない人が若者から高齢者まで腐るほどいるんだけどさ。


 もしも少し前を振り返ってさ、自分の周りにアホノミクスや円安政策を絶賛してた人間がいたら、その人間はバカ認定して間違いないよ。内容も理解せず、メディアが絶賛するのを鵜呑みにしてたバカって事だからね。


 あーしかし、日本はこれは大変だよ。ほんとに。

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まるっこ雑記 まるっこ @marumarunomaru

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