戦記物としては最高、百合恋愛ものとしては
- ★★★ Excellent!!!
戦闘シーンは、驚くほどの心理描写と、戦闘描写の迫力が群を抜いていて凄いと思います。正直、圧倒されます。
戦記物が大好きな方には、一読をお勧めします。
でも百合の恋愛ものとして見れば、主軸となる主人公と侍女のヒロインと関係がぶれているというより、どんどん希薄になって行っているように感じられました。
おそらく、作者様のお気に入りだろうと思われるキャラクターの登場によって、ヒロインの行動はそのキャラクター中心になっていきます。
主人公に名を捧げずっと側にいると誓っておきながら、彼女の行動はそのキャラクター中心に変わっていきました。
主人公とそのキャラクターがいて、ヒロインが抱え上げて太ももの上に座らせるのはそのキャラクターです。
主人公がその二人の側に座って我慢し続けるときに心情はきっと、
「わたしはおねえちゃんなのだから、我慢できるのです。
クレシェンタは妹なのだから、仕方ないのです。」
と思って、数千年を二人の側で過ごし続けているように思えます。
所謂、寝とられ要素っぽく感じます。
なので、主人公クリシェに感情を引っ張られる方は、読んでいくのがつらい場面が多々あります。
逆にクレシェンタ贔屓の方は、素直に嬉しい事の連続でしょうか?
戦場に出て、命を懸けて、小さな幸せを求めた主人公が作り出したのは、大切な人達ゆえに我慢し続けるしかない辛くも幸せな世界でした。
現時点の最新話で主人公とヒロインは新たに絆を繋ぎなおしたので、せめて今後は二人のイチャイチャがいっぱい見られたらいいなと思います。
各キャラクターの立ち位置やその心情、戦闘シーンの大迫力。それらがあまりに凄いからこそ、ストーリーの縦軸であろう主人公とヒロインのぶれまくっている関係がもったいないと思える作品です。
とても良い作品であることに変わりはありません。皆さん、読むことをお勧めします。