第10話

「うーん!今日もいい天気だ」


ちゅんちゅんと鳥のさえずりが聞こえ寝起きの身体に染みる日差しが駿を当てる

ベッドから降り、寝室を出て桜花のいるリビングへと向かう


ウサギ事件からおよそ1ヶ月と少しが過ぎた頃、桜花の魔法───土魔法によって小屋から本格的な家へと進化していった。

玄関、リビング、キッチン、寝室等々。日本でよく見かける家の造りになり、駿と桜花はこの上ない平和な生活をしていた。


「おはよぉ」

リビングにいる桜花へ挨拶をする

「あ、おはよう!駿君」

満面の笑みで返す桜花


「あーお腹空いたー。」

「はーい!ちょっと待ってててね!すぐ準備するね」


「おー、やっぱ美味そう。今回の肉はあたりも当たり大当たりだな」

「だよね〜駿君の取ってきてくれた今回の謎肉美味しいよね」


1ヶ月もたった頃にはこっちの生活にも慣れ始め普通に魔物と戦えるようになった

そのおかげで毎日木の実という味気のない生活から一変、毎回の食事で肉が出るという豪華なご飯となり、現状に満足している

欲を言うと米は欲しいが、こちらには稲がなく米の代わりに食感や味が米に似た木の実ということになっている


「今日は流石に森に行くのはキツイから家でごろごろする....」

「了解!ゆっくり休んでね駿君♡」


魔物を倒せるようにはなったがいいが、肝心の魔物がいないということがほぼほぼなので一週間ほど駿は森を駆け回っていた


「だけどスライムが倒せねぇ。普通にあれからトラウマになるんだが...」

「あれは私も無理!出来れば姿も見たくない!!」


初めて会ったスライムのトラウマにより、駿と桜花はあの日のことを思い出し、顔を青ざめていた


「ふぅ、あれは早く忘れたい───そういえば魔法レベル上がったか?」


この話題を一刻も早く終わらせたい駿は強引に近い形で話を切り替えた


「私も...───レベル?あー、えっとね、


火魔法Lv3

水魔法Lv3

土魔法Lv4


になったよ!」


「おおー!結構上がったな。俺も魔法レベル上げたいけど使う機会が中々....大体の魔物は石槍やらで倒すからなぁ。魔法を魔物に使うタイミングが分からないんだよね。ちなみにレベルは、


火魔法Lv2

水魔法Lv1

風魔法Lv2


だな。うん、やっぱり全然上がってないな!」


魔法を使う機会と言っても桜花は基本魔物と対峙せず、基本家事に使い、駿は、己の体術、武器を用いて魔物と戦い、たまに桜花の家事の手伝いにより、魔法を行使するくらいなので魔法レベルは上がらない




「うーん、暇だ、少し森に入って体を動かしてくるよ」


朝食を食べ終えた駿は宣言通り、家でゴロゴロ過ごし、昼頃になり何もしないことが窮屈となり体を動かしに森へ行くと桜花へ伝える


「わかったー!暗くなる前には帰ってきてね」

「子どもじゃあないんだから、まぁぼちぼち帰ってくるよ。いってきまーす」

「いってらっしゃーい」


桜花と挨拶を済まし森を走り始める駿


「やっぱいないなぁ、夜じゃないと遭遇しないか?」


周囲を散策しがてら、魔物を探す駿


「お、ラッキー今日は見つけるのが早かったな」


走り始めることおよそ30分、駿は馬と鹿が混ざったような魔物と遭遇した


(今日はバカが相手か)

駿は敬意(?)を払ってこの魔物を“馬鹿バカ”と呼んでいる


いつものように戦闘態勢に入る駿

深呼吸をし、武器──石槍を構える


「───せい!」


風魔法を活用し足の裏に魔法をかけ魔物との距離を一気に詰める

急に近づいたおかげか魔物はたじろいで隙ができる。

その一瞬の隙を駿は見逃さず槍を首に狙いを定め一息で絶命させる

無事、今日も戦いに勝った駿である


「ふー、風魔法をあんな使い方するのは初めてだったけどやりやすかったな。魔法との組み合わせは以外といいな」


今回はいつものように力で押すのではなく魔法を使い少し戦い方を変えた


(魔法レベルが上がったりすると派生が生まれたりするかもしれないからな)


練習兼、様子見といった感じでなるべく戦闘では魔法を使っていこうとと決心する

いつものように魔物を回収し、担ぐ駿

そして、もう少しと当たりを散策しに行く


日が暮れて家に帰る

「ただいまー、帰ったぞ。」

「あ、おかえりー駿君!」

「ほい、お土産。“バカ”のお肉」


何度と繰り返した挨拶をし、風呂の準備をする駿


「はぁー、極楽ぅ〜」

疲れのせいかオッサンのようなことを言う


「改めて見ると立派だな、家。この不気味な森には似つかわないな。てかほんと今更だが、なんで魔物たちはここを襲わないんだ?謎すぎる...」


ウトウトとする中、そんなことを呟き風呂を出る


「駿君ご飯できたよー」

「お、まじかナイスタイミング!いただきまーす」


駿が丁度良く風呂を上がった頃に桜花からご飯の合図がくる

今日狩った魔物の肉がご飯に出され、美味しくいただいて、駿は今日の疲れを取るため睡眠をとった



∀∀∀∀∀

「『何かあったら森の中に小屋があるからそこへ向かいなさい』って言ってたけど何処にあるの母さん


───神様の家は...」

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学校1美人なクラスメイトと異世界生活 エシャレット @sato0727

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