リリリリRe！

平民出身ながら王宮で働く魔術師 イニア・マリストス。
天才と呼ばれつつも貴族ではない故に出世できず、惰性で任務をこなす日々の唯一の癒しは空を見上げることだった。
――またあの空を見られるなら、まあ、やってやりますよ。
そんな彼女の永い1日のお話。



自主企画参加作品です
わちおさん主催：【条件作文的な】指定した文を用いて短編物語を作って欲しい！
条件作文：とある建物の屋上。私だけの秘密の場所。そこからは見下ろす街も、見上げる月や星も、私が日々神経をすり減らしながら惰性で生きている世界と同じとは到底思えないほど綺麗に映った。だから私はここにいる時間が大好きだった。どんなに冷たく汚い世界でも、ここから見れば美しく見えたから。