面白いだけでは伝わらないものがある――

　アイドルとオタクの恋。この妄想でしか浮かばないであろう恋愛をここまで現実的に、そして理想的に作ることが出来る者はそういないだろう。

　何と言っても終盤の甘々シーンには相変わらず理性を保つのに精一杯になる（当然良い意味で）。ヒロインの行動や表現一つ一つで読み手の心を射止めているように感じられた。これには流石学園1絶対的アイドルとしか言いようが無い。

　そしてそれをより甘く引き立たせるかのような甘酸っぱい青春シーン。こんな恋愛叶うはずもないという少し暗いシーンも、引き立たせてるとは言いつつも全てにはっきりと味がついていて、どのシーンも心動かされる。
　改めて恋愛小説の面白さを思い知らされる。短編でこのクオリティの恋愛ものは中々見ないだろう――