あの、なんのことでしょうか。

番外編⑤

◻︎◇◻︎

　後の世で賢王語られるシリルには3人の個性が強い子供がいた。

　3人ともありとあらゆるやらかしをおこなってきた。

　それは結婚にまつわる話も例外ではない。

　その中でも一際異彩の結婚エピソードを持つ子供は長女アリエルであった。

　泥酔した状況で婚約式に現れたアリエルは、求婚を受け入れた瞬間に泡を吹いて気絶。

　結婚式に真っ青な顔で登場したらしい。

　彼女の手記にはこう綴られている。

「あたしは一生に一回のプロポーズの瞬間を、失恋の瞬間だと勘違いをしてヤケ酒をし、結果、婚約式で吐くという大失敗をした。あまりにも悲しい出来事になりすぎて、『酒は飲んでも飲まれるな』という言葉を座右の銘にしたのにも関わらず、あたしは結婚式前夜に緊張しまくって眠れなくなり、挙句眠るために酒を煽り、結果、結婚式では二日酔いでぶっ倒れた。後の世の乙女たちのために綴る。婚約や結婚を失敗したくなければ、『酒は飲んでも絶・対・に！飲まれるな！！』」