目を噛みながら絞る程に雫が落ちるのです。これは、雨?

本作は、前後編になっております。

前編で、はっとするヒキ。

後編で、こんこんとモノローグ。

作者様の作品の中には素敵なものが多いのですが、本作は特段優れて私と親和性を築いていると思えます。

後編でベールを脱いだ過去は、壮絶で波瀾万丈なものでした。

私の記憶もひとつひとつにリエゾンし、二代に亘る辛さを味わったのに、共感しました。

拝読しながら、目が開いていられなくて、スマートフォンを辿れなくて、ぼとりぼとりと、落ちるものがありました。

大切なものに気付かせてくれます。

優しさ。

優しいなんて、簡単には言えないと思いませんか。

愛することは、光ある生き方の後ろで、必死でがんばっている自分がいると思います。

瞬く間の『とおりあめ』でしたが、その一瞬一瞬を皆重ねていっているでしょう。