第21話 後日談
「吉野さんこれ運んでくれる?」
「はいよー」
今日は珍しく旦那と二人だけの食卓だ、椅子に座っていた私はキッチンへと向かい出来上がった料理を運び出す。
相変わらずおいしそうな料理だと思いつつ運ぶ、そうしてサラダを運ぼうとしたとき、そのお皿に目が行った。
「毎回このお皿つかうよね、たまには別のでも使ったら?」
私が冬弥に上げた百貨店で売っている絵本に登場するクマさんの絵柄が入ったお皿。
旦那は料理を作るときどんな料理でもこのお皿を絶対に使う人だ。
「うーん、やっぱりそれを使いたいかな」
「理由を聞いても」
「はは、わかってるでしょ」
まあ実際わかって聞いてるとこはあるし、なんだったらこの会話だって何回もしているくらいだしね。
このお皿を使い続ける理由、それは……。
「だってこのお皿は、冬弥と母さんが好きなクマさんの絵柄が入っているお皿だからね」
たつた一回の人生を後悔しないように 斉藤 火花 @chikuwa_nerimono
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