星龍井戸譚

　応龍江流域の街・假睡（すいか）には立派な枯れ「井戸」があった。
　その街を守る黄一族の少年・黄垣筐（こうえんきょう）には同年同月同日に生まれた、母方の従妹がいた。
　七歳まで双子のように育った少女の名前は、林圭籃（りんけいらん）。
　おしゃべりでお転婆で、放っておけない彼女は八年経った今も枯れた「井戸」を気にする。
　そして、妙に暖かい冬至の日がやってくる。