第116話 エピローグ


 時間の流れが速いです。

 多少時間が前後している所があります。ご理解の程お願いします。


―――――


 俺と健吾、雫、それに芦屋さん、文子さん、望月さんが帝都大を受験した。残念ながら誠也、川上、相模は東立大を受験したようだ。残念だけど仕方ない。


 そして三月上旬に合格発表が有った。勿論全員が合格だ。俺は美麗が帰って来た事を確認してから七瀬さんに電話した。


『早乙女です』

『先輩、今かけて来るという事は…』

『はい、合格しました』

『先輩、おめでとうございます。何かお祝いしないといけないですね』

『それはいいよ。それより会えないかな?』

『良いですよ。何処で会います』

『悪いんだけど、また俺の家で』

『ふふっ、仕方ないですね。先輩』

『じゃあ、美麗を駅まで迎えに行かせるから』

『分かりました』



 俺は七瀬さんとスマホの連絡先を交換した後、日曜日とかに少しの時間だけど電話して話していた。


 個別試験が終わった後には二人で会いたかったけど、外で会う事は出来ない。仕方なしに両親にも紹介するつもりで家に来て貰う事にした。


 初めて来て貰った時、七瀬さんには話して有った筈なんだけど、お母さんを見て驚いていた。本物の霧島花蓮だと言って。


 お父さんとお母さんは、俺が文子さんでもなく、芦屋さんでもない、普通の女の子七瀬さんを連れて来た事でとても喜んでくれた。


 でも、あくまで大切な友達だからと言っているのだけど、ちょっと勘違いしている感じだ。


 そして次は家で俺の帝都大合格パーティの時に来て貰う事にした。



 帝都大合格パーティ当日、

「お兄ちゃん迎えに行って来るね」

「頼む」


 近所の人は昔からの付き合いで、この家が女優霧島花蓮の家で当然俺の存在も知っているから駅までだったら美麗が一人で迎えに行っても問題ない。


 十五分程すると


「ただいま」

「お邪魔しまーす」

「いらっしゃい。由紀子ちゃん」

「呼んで下さってありがとうございます」

「かしこまらないの。さっ、上がって」



 私、七瀬由紀子。早乙女宅に来るのは、これで二回目。最初来た時は緊張してまともに話せなかった。


 だって、早乙女先輩だけだって緊張するのに、目の前にあの有名な女優霧島花蓮さんが居るんだもの。


 それに早乙女先輩のお父さんの格好いい事。五十代の様だけど四十代でも通る位若々しい。


 それに美麗ちゃん。容姿端麗、頭脳明晰。こんなすごい家族があるなんて信じられないくらいだった。


 でも今日は二回目。それも先輩の帝都大合格祝いに呼んでくれるなんて。友達だけどやっぱり嬉しい。


「七瀬さん、よく来てくれたね。ありがとう」

「先輩、お礼はいいです。呼んで下さっただけでとても嬉しいです」


 リビングにはお祝いの支度が整えられている。聞くところによると美麗ちゃんと花蓮さんが作った料理らしい。これ私が食べても良いのって感じ。



 そんな素敵なパーティも私にとってはあっという間に進んで、もう午後三時になってしまった。来たのが午前十時だから五時間も居た事になる。


 帰り際に先輩のお母さんから

「由紀子ちゃん、また遊びに来てね」

「ありがとうございます」

「麗人、駅まで送って行く?」

「行きたいけど、美麗に頼む。美麗となら女の子同士って感じで済むから。ごめん七瀬さん」

「いいですよ。全然問題ないです」


「じゃあ、お兄ちゃん送って来るね」

「ああ、頼む」



 こんな事も有って、月に二度位は遊びに来て貰う事になった。来た時は美麗の友達、優美ちゃんも来て貰ったりするので、俺がお邪魔虫になる時も有るんだがそれは仕方ない。


 でもこの事は優美ちゃんから九条先輩にも伝わっているはずなので、諦めてくれるかもしれないと思って優美ちゃんに聞いた所、九条先輩には何も伝えていないそうだ。伝えた後が怖いという理由だと言うから何とも言えない。




 四月に入り、

 大学の入学式に俺、芦屋さん、文子さんそれに健吾、雫と一緒に参加した。

周りが驚いて、最初騒ぎになったが、入学式が始まる頃には、落着いて…無いけど騒ぐ人はいなかった。流石だ。



 授業の登録は勿論、健吾と雫と一緒にやるのだが、その前に芦屋さんと文子さんが私達にも教えろと言われ、結局、全員ノートPC持ち込みで俺の家のリビングで行う事になった。


 お父さんもお母さんも仕事でいないし、美麗は園芸部の新入生歓迎デコレーションを花壇にする為、毎日学校に出かけている。七瀬さんとは上手く行っている様だ。



 最初の二年間は基礎教育なのでみんなで授業を受けるのだが、同じ授業を受ける学生が、最初は、驚いた様で俺達を見ていたけど、流石に声を掛けたりする人はいなかった。


 九条先輩も八頭先輩も新垣先輩もここでの授業では無くなっているので、会う事は無かった。


 だけど、九条先輩とだけは、偶に入れてあるドラマとかCMで会う事もあり、その度に青門の中を案内すると言われてご遠慮させて貰っている。


 

 夏休みは、普通に健吾と雫で俺が所属する事務所の西伊豆にあるプライベートビーチに行くのだけど、今年からは七瀬さん、最近は由紀子さんと呼んでいるけど一緒に行く事になった。


 部屋は、俺と健吾、雫と由紀子さんに別れた。まあ当然だけど。雫が由紀子さんは着やせするタイプみたいで裸になると驚く位のスタイルだと言っていた。


 まだ、手を繋ぐのがやっとの俺にはとんでもない情報だ。由紀子さんも健吾や雫に慣れてくれて四人で楽しく夏休みを過ごした。


 それ以外は、家で俺が勉強見たりしている。二人だけで俺の部屋にいると由紀子さんがモジモジしたりするのでなるべくリビングでやる様にしている。



 二年の夏になって生まれて初めて口付けというのを知った。きっかけは、何となくだ。勉強していて、二人で顔上げて目が有ったら…唇が合わさっていたという感じだ。


 その時は、後は勉強にならず、由紀子さんは帰ってしまったけど、翌日来た時はもう落着いていた。そしてその日から口付けは毎日する様になった。



 三年になった時、由紀子さんが帝都大に入学した後、告白したんだけど、えっ、今更と言われてしまった。


 健吾と、雫に至っては、まだ告白してなかったのと言われたくらいだ。


 この時点で、正式に芦屋さんと文子さんに恋人がいる事を告げた。二人共相当にショックだった様で、一週間近く顔を合わせる事は無かったけど、一週間後二人から言われた言葉は、『まだ恋人でしょ。結婚した訳では無いんだから諦めない』と言われて、以前よりもはっきりと俺に接近する様になり、頭を悩ませた。健吾と雫は笑っていたけど。



 ドラマの撮影とかCMにも出ている。ソティーブンやオーノルド、トミから連絡が有るけど、大学の勉強を理由に渡米は固辞している。どうせ、後二年で芸能界も引退だ。



 この頃から就職活動を始めるのが普通だけど、お父さんの紹介で国立生命科学研究センターに内定していたので、俺は就職活動しなかった。

 健吾と雫は始めたようだ。流石に同じ会社に勤める事はなさそうだ。


 健吾はYAXAに入って宇宙飛行士の道に進みたいと言っていた。雫は院に行くらしい。



 四年になり、卒論はあるけれど授業のコマが空いて来たこともあり、映画に一本出る事にした。

 題名は『二つの顔を持つ女刑事』。

 男の振りをした公安警察の女性刑事役だ。もう勘弁して欲しい。



 事務所には正式に大学卒業を以って芸能界を引退する事を告げている。就職先も決まっている以上、引き留めには応じない。


 二ヶ月位掛かったけど、これが最後だと思って割り切ってやった。

 この頃になると由紀子さんとの仲は普通の恋人の様になった。普通というのは…普通ですよ。




 そして大学卒業してから、改めて由紀子さんの家に挨拶に行った。結婚の許しを得る為だ。


 大学二年の時初めて由紀子さんの家に行った時は驚かれて、最初は〇ッキリカメラだろとか言われたけど、本当にお付き合いをさせて頂いていますと言って信じで貰えるのに時間かかった。

 由紀子さんは弟さんと妹さんにお姉ちゃんだけずるいとか言われて揶揄われていた。



 映画の封切りと共に俺の芸能生活は終わった筈のなのだが…センター長が研究所のアピール為に新聞広告には出てくれと言われて、仕方なく、本当に仕方無く出たんだけど。



 結婚式は内輪だけで行った。勿論健吾と雫には式から出て貰った。思い切り喜んでくれた。でも二人ともまだ決まった人はいないと言っていた。


 それから三年が経って、えへへ、由紀子さんのお腹に子供が出来た。俺の両親も由紀子さんの両親も大喜びで、美麗だけが複雑な顔をしていた。


 そう言えば、美麗は帝都大に入りながら俺のいた事務所つまりお母さんの所属している事務所に所属して女優をやっている。俺より遥かに売れっ子の様だ。学業大丈夫かな。



 文子さんは渡米した。ソティーブンからブツブツ言われたけど。芦屋さんは、まだお付き合いしている人はいない様だ。


 偶に会うと『一夫多妻を考えないんですか。籍は入れなくてもいいですよ』なんて言って来る。もう諦めて欲しい。


 秀子さんもまだ独身の様だ。道場に行くと前より激しく蹴りを入れて来るので勘弁して欲しい。



 でも俺の顔はずっと女性の顔のままだ。そろそろ男の顔に変わってくれないだろうか。





 おわり。


―――――

 最後まで読んで頂いた読者の皆様、大変ありがとうございます。


 この作品、気晴らしという訳では無いのですが、NTRもざまぁも無く、普通の男の子とは違い、とても綺麗は女性の顔を持つ高校生男子とその友達を面白可笑しく描いてみようと思い書き始めました。


 自分で書いていると笑ってしまう事も沢山あって、楽しく書いていたらなんと百十六話にもなってしまいました。


 予定としては高校生活までと思ったのですが、やはり高校生活後や麗人の将来の事も書かないと中途半端になるのでここまで書き上げました。ちょっと急ぎ足だったですが。


 最後にもう一度、長い間お読み頂き、大変ありがとうございました。


 新作検討中です。もう一つの作品「初恋は実らない?結婚を約束した男と女が別れる時」は、まだまだ続きます。

 

最後ですが、この作品を読んで、笑っちゃうとか、なんじゃこりゃと思われた方、ぜひフォローと★★★(ご評価)を頂けると嬉しいです。ご感想もお待ちしております。


宜しくお願いします。 


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可愛い男子は恋愛できない?可愛い女の子と間違われた男の子の高校生物語。 @kana_01

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