本番

こたえあわせ

 十一月十五日、都内某所、四階フードコートにて、私負け犬アベンジャー(写真には六つあったのに出てきたエビシュウマイ三つしかなかった)は、今回の本の持ち主であるラーメンデブ(ご飯が食べたい)と同じ推薦者の文化祭フェチ(河童の話はクソだったな)と本を返すついでにだべることとなりました。


 議題としては今回の本の答え合わせ、少なくとも二人とも面白いと思っての貸し出しだと、それと決して毒殺の意思はなかったとのことです。


 以下、その内容の箇条書き、書いてたメモの字が汚いので間違いも多々あると思いますが、あれば本人がコメント欄で指摘してくれるので安心です。


 まず先に到着してきたフェチから。


 前提として、これはゲームでも人間ドラマでもないとのこと。


 テーマは「どう生きるのか」だそうです。


 この作家はラノベ界ではその前後で歴史が変わるほどの大先生らしく、今回の話もその特徴がよく出ているとのこと。


 冒頭、本や章のそれぞれに決着というかどういう着地点になるかを最初に描写し、その過程を書いていく方式、らしいです。


 最初読んでいるとよくわからないけれど最後までいくと全てがつながるんだそうです。今回もだそうです。


 各章の最初、対戦相手がどういうふうにゲームに、あるいは未来予知を認識しているかを描写し、それを本物が凌駕していくことで否定し、ならばならばと進めていくのが毎回のことらしいです。


 未来予知能力も、そんなピンポイントで見るとかそういうのではなく、もっと漠然としたものだと。それにこの作者の別作品基準で見れば微々たるもので、だからこそこうして生きながられているのだとのご高弁でした。


 つまりは『哲学』です。


 この哲学とは何かを問うたところ、以下黙秘権を行使、ラーメンデブが来るまで私の別作品の面白くない理由を永遠と聞かされ続けました。


 間違い、訂正があるならコメント欄にお願いします。


 そうして次がラーメンデブです。


 テーマは「本当に人が見るべき未来」なんだそうです。


 言い換えると「長い長い終活」だとか。


 未来予知をテーマにしているけれど、全体的に見て今この場で得をする損をするというのは小さなことで、そんなだから敵は全滅したのだと。


 一方で登場してくる伝説級の予知能力者たちも予知はできたけれどもその命中率が高すぎるために死から逃れられず、だったら少しでもより良いものにしようとしたら残心が今回の物語らしいです。


 その上で、全てはメタファー、ゲームもただのコミュニケーションツールでしかなく、そこにルールだとか戦略とか表面的な部分に囚われてる段階で何も見えてない。むしろそう言った観点よりもっと広く、大きく見ることが大事なんだとのことです。


 作中に出てくる手紙も、見方によれば読者に向けられたもの、そういうふうに受け取れるように作ってあるのは上手だなぁーだそうです。


 これまで私が書いてきた説明不足や省かれた表現も、あえて空欄を残してそこに想像を膨らませられるようにとの配慮、そのための適切な材料も揃っていて、こうした文学的な構成力は私には絶対的に足りてないものだそうです。


 それとメモには『適者生存』とありますがなんのことか忘れました。覚えてたらコメント欄に書いといてください。


 総評としては、多くの本を読み、文学に触れてきたからこそわかる面白さであって、これは理解できないのは読解力なさすぎ、物書きとしては致命的、今すぐ筆折れ、とのことです。


 納得できず、反論したい私なのですが、相手の根拠は書籍化されてす作家様、章すら取れてないど素人などが何を言っても負け犬の遠吠えと罵られ、泣きながら帰路につきました。


 これでこの本の読書感想文は終わりです。



 それで、次は映画云々書いてましたが、そのまま二人に次なる課題図書を買わされましたので、次はそっち書くと思います。


 来年予定です。


 題名は伏せますが今度はラノベです。アニメ化もしてます。章までとってます。


 今回のような自分の無力さを曝け出さずに幾分でもマシな読解力を僅かでも得られるよう、精進して参りたいと思います。


 今回は「あんなのスピンオフ小説の一発屋じゃねーか」などと粋がってしまい、誠に申し訳ありませんでした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

題名を伏せた読書感想文 負け犬アベンジャー @myoumu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ