番外編

番外編 レイナとシーマ  (レイナside)

今回は私とシーマの出会いについて話すね。

ちゃんと最後まで聞いてよ。

じゃ、スタート



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私は、左右で目の色が違うせいでいつも孤立していた。

あの時までは…



その日も、いつものように公園で一人寂しくブランコに乗っていたら、いつものようにいじめっ子達がやってきた。


「ちかくにくるなー うちゅうじんめー」

「そうだそうだ どっかいけー」


「あのことめがあうとのろわれるってー」

「おかあさんがちかづくなっていってたー」


いつもこうだった。

男子からはのけ者にされ、女子からは避けられていた。

毎朝、起きるのが辛かった。

毎晩、目が覚めないように祈って寝ていた。


今日もきっと最悪の一日を過ごすのだろうと思っていた。


「こんなにきれいなめをしたこがうちゅうじんなわけないでしょ」


「っ!……」


耳を疑った。

私のことを庇ってくれた上に、目のことも誉めてくれる人なんて居るわけない。

きっとこの子は私の幻覚なんだと思った。


「このこはおれとあそぶから、きみたちがどっかいけよ」


その子はそう言い放ち、私の手を握った。

言い返されると思っていなかったいじめっ子達は、思わぬ反撃にたじろぎ、逃げていった。


「いっしょにあそぼ」


その子は私に微笑みかけてくれた。

でもきっとこの子も私に同情しているだけだ。

きっとそのうち離れていってしまうのだろう。


この時、私は人間不信に陥っており、助けてくれた相手さえ信じれなかった。


「こんなわたしとあそんでくれるの?」


「こんなって?」


「ほら、めのいろがみぎとひだりででちがうでしょ」


「それがどうしたの?」


「このせいで、わたしはみんなにきらわれてるから…」


「そうなんだ。おれこっちにきたばっかでなにもしらないんだよね」


確かにその子を見たのはその時が初めてだった。


「わたしからはなれてったりしない?」


「もちろん!もうともだちだからね」


その言葉を聞いたとき、これまで一人で我慢してきた何かが溢れだした。


「うあぁぁぁぁぁ」


「だいじょうぶ?」


「…っひぐっ…あぐっ…ずっどっ…はなれないでっ…いてっ…」


その子は私が泣き止むまでずっと頭を撫でてくれていた。


「おちついた?」


「うん、ありがとう」


ひとしきり泣いたことで大分スッキリしていた。


「なまえおしえて」


「レイナだよ。そっちは?」


「おれはシーマ。よろしくね」


それから毎日のようにシーマと遊んだ。

シーマといるとなぜか胸の奥がぽかぽかして楽しかった。

今思うと、そのときにはもうシーマの事が好きだったんだと思う。異性として。


10才になって、男子と女子が疎遠になる頃でも、私はずっとシーマといっしょに過ごした。


もうシーマがいない生活なんて考えられないし、シーマに捨てられたら生きていける自信はあんまりない。


今の自分がシーマに抱いている愛情が重いことは分かってるけど、シーマなら受け入れてくれると信じている。


告白はいつかしたいし、キスもその先も……

ってちょっと待って。なに言ってるんだろう私。


と、とにかく、シーマは私の初恋の人で、大切な人だってこと。


今回はここまで!じゃあね~







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おとぎ話革命 @eryusion

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