第38話
「これはなんだ?」
忠がテーブルの上の原子力空母カールビンソンを
指さしながらミオに言った。
「原子力空母カールビンソンというものよ」
「なるほど」
ミオは平然とカールビンソンを食べていた。
「こっちのは、なんだ」
「天岩戸」
「なんでそんなものが、食卓に並んでいるんだ」
「おもしろいとおもったからよ」
「そうか」
忠が妙に納得してしまった。
「ミオは浮気しようと思ったことはなかったのか」
「なかったわね」
「フーン」
「私そういうとこ貞淑だから」
「よくいうよ」
「アハハ」
二人、笑う。
「オレたち、もう一度やり直せないかな」
「無理よ、もう、修復は不可能だわ」
「そこを、頼む」
「無理だってば」
「頼む」
「わかった、頭を上げて」
「それじゃあ」
「もう一度やり直しましょう」
「ミオ」
「忠さん」
ふたり、熱い抱擁をかわす。
次の日ー
「えーーニュースです。麻生谷ミオという
女性がアラブの石油王を次々にナンパしまくって、
愛人になりまくっているそうです」
「何をやっているんだか」
忠が両手を広げてため息を吐いた。
予測不能のオンナ @k0905f0905
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