応募用あらすじ(ネタバレを含みます)

 パティシエである父親に認めてもらうため有名洋菓子店に就職したいちご。しかし仕事は予想以上に過酷だった。パティシエらしい仕事はまったく回してもらえず雑用ばかりで虐げられる日々。同期入社の同僚は次々辞めていった。


 ある日オーナーシェフの息子、雅登(ガトー)がフランスから帰国し店の責任者となる。彼はなぜか下っ端のいちごばかりを気にかけ庇ってくれるのだった。疑問に思うもののその理由はわからなかった。

 しかしある日ガトーが勤務変更により今後店にあまり来られなくなることに。そのことを聞いた途端いちごはなぜか涙が止まらなくなってしまう。ガトーは勤務後にいちごを呼び出し、これまでいちごを特別扱いしていた理由を明かした。


 ガトーは過去、いちごの父親と師弟関係にあり幼少のいちごの住む家に居候していた期間があった。その時に二人は「20年経ったら結婚しよう」と冗談半分の約束を交わしたのだが、いちごはそのことを全く覚えていなかった。過去を知ったいちごはガトーへの告白を決意。年齢差、身分差の壁をを越え二人は結ばれる。


 しかしガトーの父であるオーナーシェフが亡くなりガトーは多忙になってしまう。なかなか会うことも叶わずいちごが寂しい日々を過ごす中、いちごの父親が事故に遭いいちごは実家のケーキ店を手伝うことに。そこでいちごは自身の原点に立ち返り「実家の店を継ぎたい」という自身の気持ちに気づく。

 いちごとガトーはこれまで何度頼んでも結婚を許してくれなかったいちごの父親に今度こそという思いで跡継ぎをしたいということも含めて結婚を許してほしいと頭を下げ、ようやく結婚が許される。しかしガトーの仕事は変わらず多忙で夫婦は別居状態となってしまう。それでも二人は愛を貫きやがていちごは妊娠する。


 出産も間近となる頃、ガトーの店で食中毒が発生。ガトーはオーナーシェフとして責任を問われることとなってしまう。妊婦であるいちごのもとにも記者が押しかけ、迷惑をかけたのは自分のせいだと落ち込んだガトーは一方的にいちごに別れを告げ連絡を絶ってしまう。

 ショックからいちごは産気づき、そのまま出産に臨むことに。いちごの父により無理やり呼び出されたガトーは無事に出産に立ち会い、産後のいちごに感謝と謝罪を述べる。二人は涙ながらにこれからは互いに助け合うことを約束する。


 退院後、父親の計らいでいちごは跡継ぎとして実家の二号店を任されることが決まった。しかし海外で経験を積んだ弟の翔斗がふらりと帰国。いきなり跡継ぎは自分がやると言い出す。

 翔斗は自分の仕事で手一杯のガトーとではいちごに跡継ぎは無理だろうと主張し、ガトーと直接話し合うことに。ガトー自身も「いちごちゃんの夢を叶えたい」と譲らず話は平行線。かと思われたが、いちごの父親がその場に現れ翔斗が開業資金を節約したいが故に親孝行などとかこつけていることを見破り、二号店の開業場所をガトーの職場近くの東京にしたことで跡継ぎ争奪戦はいちごとガトーに軍配があがった。


 その後翔斗は二号店の店員としていちごが雇う形で落ち着き、いちごとガトーは晴れて同居の願いが叶う。ガトーは自身の仕事と二号店での仕事を両立させていたが、やがて翔斗が独立することになると、「これからはずっと一緒だ」と二号店のみに尽力することを誓う。こうしていちごは最愛のガトーと共に念願の夢を叶えることができた。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

パティシエ王子の溺愛フレジエ 小桃 もこ @mococo19n

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

同じコレクションの次の小説