独自進化論 「卵が先か鶏が先か」
ろくろわ
二人の言合いで「卵が先か鶏が先か」になる問題
『卵が先か鶏が先か』
皆、一度は聞いたことがあるであろうこの問題。簡潔に説明すると、物事の因果には必ず関連性や法則性があるのだが『卵が先か鶏が先か』のように「卵が鶏無しに生じ得ず、鶏が卵無しに生じ得ない場合、最初に生じたのはどちらだろうか?」と言う問題の事。
簡潔に完結させると、進化論的に卵が先らしい。らしいと言うのは実際にそうだと答えがでている訳ではないから。卵は大昔から存在しており、また進化論的に言うというのは、親と違った性質を持つものが生まれる事を「突然変異」と呼び、卵が親とすると違った性質の鶏が生まれる事は「突然変異で卵から生まれた」となる訳です。
一方、鶏の卵は鶏の持つ生成要素が無いと作られないと言うデータもあるらしく、そうなると鶏が先に生まれてその後に卵が出来たと言うことになるらしい。
そしてこの論争に決着がつかないのは明確に終了できるだけの根拠がないから。
だからこそ、ことあるごとに例えとして持ち出させるのだ。では、あなたに問いかけたいと思う。あなたは『卵が先か鶏が先か』どちらが先だと思うのか。
その前に、私の勝手な進化論を説明したいと思う。この論争では卵と鶏。何に焦点を置くかで結果が変わる為、私が焦点を置いたものを先に述べる。
先に生まれたのは何か。
私の中では卵である。
そして卵は鶏でもある。
故に卵も鶏も一緒である。
これが私の答えである。
まず、生物の進化は水辺から始まる。
この時の発生は奇跡のため、そもそも何故生まれたかは割愛する。兎に角、現代の鶏と呼ばれるものの基も水辺から生まれた。そして地上にでる過程で卵の形であることが理にか成っていた。固い殻に覆われ流動体の姿は長く生命活動を維持するのに適していた。
しかし、地上では移動が出来ず中身がどろどろの卵の姿をした鶏では何も出来なかった。
そこで、卵の姿から今の鳥の形に成ることにした。これが変異であり進化であった。
ところが再び困ったことが起きた。鶏の姿になると生命を維持する為に膨大なエネルギーを消費しなければならず、またその度細胞は劣化していった。そこで、自分の体を再び卵の形に戻し排出する事で自分を残すようになった。
ただ一つではバグやエラー、失敗することもあるため沢山生むようになり、時々、グレードアップするために違う鶏のデータを取り入れるようにもした。その後、陸の上では前述した移動が出来ないことなどから再び鶏の身体へと作り替えていった。
つまり、鶏も卵も結局は同じ奴が姿を変えて繰り返し歩んでいるに過ぎない。また、この事から水辺から飛び出した際、最初から鶏の姿だった奴がいてもおかしくはない。辿るところ、生命の終わりを感じ卵の姿に一度戻り、再び鶏の姿に戻っているだけなのだから。
だからこそ、卵が先であり、鶏が先であり、卵が後であり、鶏が後であるのだ。
と言うことを「私の事が好きか」と尋ねた、私の気になる男性が返事としてくれた。
つまり「私への好意の感情が愛無しに生じ得ず、愛が私への好意の感情無しに生じ得ないが、そのどちらも僕なのだ」と言うことらしい。
全く持って意味が分からず、そして一気に気持ちが冷めていくのが分かった。
こう言うことは、卵が先であろうと鶏が先であろうと回りくどく言わずに、「そんなの関係なく、卵も鶏も今に存在している」と言って欲しい。
つまり「俺は君が好きだ」とだけ言って欲しかった。
こんな言い方をしている時点で、冷めたと言ってもやっぱり私は彼が好きなんだろうな。
了
独自進化論 「卵が先か鶏が先か」 ろくろわ @sakiyomiroku
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