第5話 大人達の決め事
父が鼻炎で、食事中でも、席を外さず、大きな音を立てて、目の前で鼻をかむ。正直、食欲が失せるので、それを母に愚痴った事があった。
母は、鼻炎の苦しさを理解してあげないと、と私に言った。
こんな調子で、何を言っても、父の肩を持つのだ。
母と父は離婚していて、会うことはないが、私と弟は、毎週末に、元の父と祖母が住んでいる家へと送られて、会っていた。もう、そろそろ、友達のほうが、大事になる年齢だったが、母も気を遣ってか、週末の行事として、続いていた。
祖母にしてみたら、面倒な日もあったようだ。外出していて、居ない日もあった。父も喫茶店へ出ていたり。
でも、大人達のお互いへの気遣いからか、長年、この習慣は続いた。
父は、実際に会っている時よりも、離れて暮らしてる時に寂しさを感じるのか、用もないのに電話をしてくるので、母にその義務感を与え続けた。
馬鹿は死んでも治らない @m_theory
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。馬鹿は死んでも治らないの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます