第5話 大人達の決め事

父が鼻炎で、食事中でも、席を外さず、大きな音を立てて、目の前で鼻をかむ。正直、食欲が失せるので、それを母に愚痴った事があった。


母は、鼻炎の苦しさを理解してあげないと、と私に言った。


こんな調子で、何を言っても、父の肩を持つのだ。


母と父は離婚していて、会うことはないが、私と弟は、毎週末に、元の父と祖母が住んでいる家へと送られて、会っていた。もう、そろそろ、友達のほうが、大事になる年齢だったが、母も気を遣ってか、週末の行事として、続いていた。


祖母にしてみたら、面倒な日もあったようだ。外出していて、居ない日もあった。父も喫茶店へ出ていたり。


でも、大人達のお互いへの気遣いからか、長年、この習慣は続いた。


父は、実際に会っている時よりも、離れて暮らしてる時に寂しさを感じるのか、用もないのに電話をしてくるので、母にその義務感を与え続けた。

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馬鹿は死んでも治らない @m_theory

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