現実世界でも無双している僕は異世界でも最強
ラッセルリッツ・リツ
それで、僕に勝てる奴はいるのか?
僕は生まれつき最強だった。
テストは全て満点だったし、6歳でハーバード大学へ行った。
10歳になる頃には未解決の難題を解き、さらに会社を設立してすぐに一流企業の仲間入りをした。
そんな僕が16歳になる頃、もちろんだいたいこの現実世界を知り尽くし、飽き飽きしてしまったのでタイムマシンでも作ろうとしていたのだが――――もっと面白いことを見つけてしまった、というよりも見つかってしまったのか。
ある日、時空の研究をしていると妻が封筒を僕に渡してきた。届けてきたのは転生代理人、中身を開けてみた。
『突然ですが、あなたは世界トップの天才であり、その功績が異世界にも轟いております。ぜひとも転生していただき、魔王の討伐に貢献してください』
頭のおかしい妄想だと思った。
ただ研究に疲れた僕はそんなあり得もしない話に乗ってみることにした。
そもそも僕はすでに不老不死なので、リスクもない。
転生代理人の元へ行き、意味不明な儀式と無駄な取引を終え、僕は飛び降りた。目隠しなど入りはしなかったが、何度目かの落下死を味わった。
そして暗転し、目を覚ますと――――僕は玉座の間のど真ん中、王様に睨まれていた。
「ついに現れたか! 我が勇者よ!」
「転生じゃなくて、転移じゃないか?」
「細かいことはいい、さぁ勇者よ、魔王を倒しに行ってまいれ!」
「……断る」
まずはこの西洋ファンタジーの世界を探求したい。魔王などどうだっていい。
そもそも僕は誰かの言うことを聞く質ではないのだ。
「断る?……そんなことできると思っているのか? 召喚士よ! やれ!」
召喚士?とやら、フードの複数人が杖を掲げて何かを念じている。なるほど、これが魔法というものか。すぐに研究したいところだ。
しかしこの様子、僕に何かをするつもりだろう。しばし様子を見てみよう。
「……なぜだ? おい! 召喚士!」
「ダメです。束縛が効きません!」
「そんな馬鹿な!」
「束縛? ああ、それだったら転移してから三秒で解いておいた」
「なんだと!? そんなことができるわけがない!」
「束縛の解除は一級魔法だからってことか? おいおい、もしかしてまだ僕が一級魔法を使えないと思っているのか?」
間抜けに口を開けたまま、理解できていない様子の王様。
確かに僕は天才だからお前のような低能には理解できないだろう。
「僕は魔法が使われたと気づけば、すぐにその仕組みを解析し、自分のモノにできる。ただこれは僕その者が持っている力だ。ここに来る前から、現実世界でも持っていた天性だ」
「なんだと!? この世界での能力ではなかったのか!」
僕はそんな間抜けな言葉を躱し、すぐに城の外へ出ていった。
なぜかって? ただの時間の無駄だからだ。
僕はまずこの世界のルールを学び、権力者およびその持っている戦力を調べた。
次に転移?によって得られた他人の睾丸を粉砕する能力でその権力者らを暗殺していき、世界の王となった。
それからは政治を軽々しつつ、文明を発展させた。科学を普及させたのだ。
さらにこの世界には魔法があり、科学と組み合わせ、さらなる発明を続けた。
そして僕はとっくに見つけていた異世界から現実世界へ戻る手段を試み、この現実世界を統べる秘密結社に宣戦布告した。
もちろん、魔法科学と異世界軍を用いて。
こうして僕は両世界を制圧した。
そして先日、三つの目の世界が発見された。その人々は僕のことを――――魔王と呼んでいるらしい。
現実世界でも無双している僕は異世界でも最強 ラッセルリッツ・リツ @ritu7869
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