「手のひらに幸せをつかもう！」逆転移魔法少女と元バーテンダーがラリー車で進む不明瞭なミライ

後日談 二択にして究極の未来？

「なぁヒカルにリリ。オレに選択しようがない……そっちで相談して決めてくれよ」

　双方とも問題ばかりで頭を抱えるしかない選択肢……どうしようもなく丸投げだ。

　なんでこんなことに……勘弁してください。どっちもどっちで選びようないしな。

　おかしな経緯で輸送ヘリに載せられて到着した靭公園。東西の狭間になるカフェ。

狭小地に立つ八階建て雑居ビルの入口になるフィッシュ・オンは特殊な地域にある。

　大阪市の西区でもダンジョンの特区になる本町通となにわ筋交差点のすぐ北側だ。

入店した瞬間にのっけからのお祭り騒ぎ。わけもわからず引き離されて拉致された。

　体格と見た目で同年代に感じられるお子ちゃまチームにリリが速攻で確保される。

ヒカルも一見は怪しい美女の集まりであるカナメ店長やおナベ料理人に連行された。

　もちろんオレはニヤニヤと含んだ笑みで不自然な様子のレージ先輩と姐さん対応。

いきなり強烈な先制パンチに驚かされたのは脇にいた……与党英田副総裁のせいだ。

　噓か本当かネタなのか一定確率で当たる未来視……姐さんは人間じゃないはずだ。

一見すると豊満な年齢不詳の美女で……どこからどう見ても花魁の姿はあり得ない。

　レージ先輩がミナミに流れ着いた瞬間から同居……同棲する大金持ちの相方さん。

レージ先輩は職場から直帰らしくスーツに白衣を羽織るイケメンで本業が医学者だ。

　三人よくわからない流れで冷やかされながらもバイキング形式の飲食を楽しんだ。

　英田副総裁がリリの戸籍並びに住民票について今後の協力を条件に確約をくれた。

問題視されたのが今後の生活面で……三人での暮らしと居住する部屋の場所になる。

　副総裁提示が公園傍で関係者の多いマンション……自衛隊に協力する必要がある。

もう一つ姐さんたちが暮らすマンションの低層階にある空き部屋なら自由度は高い。

　もちろん三津寺オーセンティックバーについても今後マスターとして勤務になる。

オレとしてもバーテンダーのプライドがあり副業になるが演者業を辞める気はない。

　二足の草鞋どころか条件面と重要度で日替わり仕事の請負人に近い暮らしになる。

　正直な話をするとどっちもどっちで選べないし選びたくない本音で世間は厳しい。

金銭がないと自分の住処も満足に選べない現状で二人の女を養うなんて難しすぎる。

　そんなこんなで前にいる二人に丸投げなんだが最初から答えは明白すぎたようだ。

「正直なとこあたしはどっちでもいいんだけど……長堀橋。めっちゃ便利いいよね」

「えぇっと樺太生まれの田舎育ち。大阪なんてわたしにわかるはずないんじゃね？」

　そらそうだ……そもそも選択肢なんてもの最初からあるようでこっちにないよな。

リリの今後について生活面で問題ないなら男は黙って仕事をすればいいだけの話だ。

　オレとリリは純粋な意味での大和民族じゃない……正しくは別世界人と北方種だ。

それでも自由な世界で生きるため国家に協力することは吝かじゃないし頑張りたい。

　まぁいつもレージ先輩たちに頼りすぎで情けないけど……どうしようもないよな。

ボンキュッボン美女と白髪赤目アニメキャラみたいな美少女との同居……気が重い。

　まかり間違って二人を同時にお手つきしない……そう断言できる人格者でもない。

ホントに人生なんて一寸先は闇じゃなくても明日は明日の風が吹くから予測不能だ。