あの日スズメに襲われて四車線道路の中央分離帯付近で二段階右折中の原付にひかれかけていた野生のトムソンガゼルを助けたら実は天の川を渡って降りてきた冥王星の冥王の加護を受けた火星人で今度は人間の美少女な
そんな因縁もあいまって互いに対抗心が芽生えだしたようで妙な三角関係になった話!!
そんな因縁もあいまって互いに対抗心が芽生えだしたようで妙な三角関係になった話!!
「任せろおおおおおおおおおおお!!!!」
全裸の宇宙人おじさんが僕たちの目の前で両手を突き出して踏ん張るポーズをとり何重ものバリア的なモノを展開しつつ光線を一身に受ける。
「「「宇宙人おじさん!!」」」
「言っただろ? 俺が時間を稼ぐ。なぁに、冥王の一人や二人、俺の敵じゃねぇよ」
「かっけぇ……!」
ぬるっとしているとかクサいとか言ってごめんなさい。
冥王の光線が徐々におじさんのバリアを削っていく!
「うぉおおおお!! 仕方ねぇ見せたくはなかったが……本気になるか……!!」
直後、宇宙人おじさんが黄金に輝く――
【本・体・顕・現――!!】
おじさんを中心に周囲が光と煙に包まれ、次の瞬間、
全身毛まみれの身体に褐色の肌にサルっぽい顔……。アレは……教科書で見たことがある……! 確か名前は――
「ジャワ原人!?」
宇宙人おじさんは進化論的な学説からするとまさかの現地球人たる人類の遺伝子的に先祖的な存在だった!!
「少年、地球人も宇宙からみれば宇宙人なのさ――」
「なんか深いこと言ってる!」
【ギアアアアアアアアアアア!!!!】
「はあああああああああああ!!!!」
冥王の光線とおじさんのバリアが拮抗するも、徐々におじさんは押されだし、防ぎきれない光線によって、おじさんの体毛が吹き飛ぶ。
レイちゃんとメインちゃんは魔法に集中しながらも、こちらに吹き飛ばされて顔とか体に当たるおじさんの体毛にめっちゃ嫌そうな顔をしている。
そしておじさんの体毛が全て吹き飛びツルツル原人となる。
「ふんっ、ちょうどいい。これでエステに行く必要もなくなったワケだ?」
軽い言葉とは裏腹におじさんの身体が光線に呑まれていく。
「くっ……ここまでかっ……! 後は頼むぜ……? 二人の可愛い宇宙人のお嬢さんに少年……いや、地球の、俺たちの子孫……
言い終え、おじさんは光線に呑まれた。
「おじささああああああああああん――!!」
「まさし! おじさんの死を無駄にするんじゃありませんわ! トリニティアタックの準備が整いましたわよ!!」
「おじさんを
「うん! 分かった!!」
二人が差し出した右手に僕も右手を合わせると、温かく、そして途方もない力を感じた。
「感じていますわねまさし?」
「うん。温かい……」
「これが宇宙人の体温ですよ」
「魔法の温かさじゃなかった!」
「では行きますわよ!」
「ええ、やりましょう!」
「僕はなにすればいいの?!」
「フィーリングで私たちのあとにそれっぽいこと言ってください!」
「土壇場(どたんば)で無茶振りが過ぎない……?」
なにを言えばいいのかまったく分からないけど、おじさんが命を懸けて作ってくれた好機、地球にとっても最後のチャンス、逃すわけにはいかない。
「これが!!」
「わたくしたちの!!」
「……きっ、究極奥義!!」
「「「トリニティアタック!!」」」
まばゆい輝き満ちた光線が冥王へと放たれ、冥王の光線とぶつかり合う。
よかった。僕の感性は間違っていなかったようだ。
「「「おおおおおおおおお!!!!」」」
拮抗する互いの光線。
ここからは純粋な力比べだ。
徐々に冥王が押されだす。
「おじさんのおかげで力が弱まってますわ!!」
「これなら行けます!!」
「おじさんの犠牲は無駄にしないっ!!」
魔法を介してから分からないが、今、僕とレイちゃんとメインちゃんの心が、想いが一つになった。
そして、僕たちが叫ぶのはあの言葉――
「「「ぷってらっのっどーーーーーーん!!!!!!」」」
【ガアアアアアアアアアアア――!!!!】
押し負け、トリニティアタックが直撃した冥王は叫び声をあげ、大きな風穴が空いた巨体は光の粒子となって消滅していく。
「さらばですわ冥王。生まれ変わることがあるのなら、今度はお友達になりましょう?」
「光の冥王様のように、アナタも人と共生できるようになれたなら、私は喜んでその手を取りましょう」
「その場のノリで倒しちゃったけど、この冥王(悪)ホントに悪い存在だったの……?」
いまさらになって罪悪感的なものが芽生える。
少なくとも話し合う余地はあったんじゃないだろうか……?
けれど、もう遅い。なら……振り返らない!
「うんっ! やっちゃったものは仕方ない! 切り替えていこう!」
冥王が消滅し、地球と宇宙に平和が訪れた!
「さすがはまさし。わたくしが見込んだことだけはありますわね。まさか冥王を倒してしまうなんて」
「まさしさんは、まさしく私が見込んだ殿方ですっ」
「は、ははっ。二人のおかげだよ(というか全部レイちゃんとメインちゃんが原因じゃない?)」
「さて、共闘はここまでですわ、メイン」
「ええ、今から、恋のライバルに戻るとしましょう、レイ」
二人は僕を見た。
僕は二人の瞳をしっかり見返し、曖昧な笑みを浮かべる。
レイちゃんとメインちゃん、どちらを選べと言われても選べない。
だって二人とも僕のドストライクな顔だから。
できるなら二人とも選べるハーレムエンドを目指したい。いや、そうすべきだ。
なら今の僕が言うべきセリフは一つだけ――
そう(ちなみに宇宙人おじさんは無事だった)――
「宇宙蹴鞠ってなんだったの……?」
あの日スズメに襲われて四車線道路の中央分離帯付近で二段階右折中の原付にひかれかけていた野生のトムソンガゼルを助けたら実は天の川を渡って降りてきた冥王星の冥王の加護を受けた火星人で今度は人間の美少女な 桜生懐 @KaiSakurai
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